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暮らしの道場

「剣道と居合は何が違うの?」

2019.03.19 21:55

*前置き*


タイトルでは

『剣道』と『居合』

と、簡単に書いたものの


居合、と一言で言っても

「制定」と「古流」があり

それを一緒くたにするのも、また微妙に違ってくる…

という考えもあって。


ここでは、わたしが修練している

古流の刀法を比較対象にします。


また

剣道と一言で言っても、

その在り方は 時代により変化があるのですが

(昔は、竹刀を落としたら組み討ち、なんていうこともあったと聞きます)

あくまで、

現在、一般に普及している剣道のかたちを念頭に

説明してみます。





さて☆


まず、居合・剣道ともに

理念として、

『刀法と心構えを大事にする』

ことは共通しています。


剣道は、“刀”ではなく“竹刀”を用いますが

竹刀とは、刀の代わりです。

「実戦的な刀の扱い方でもって竹刀を扱う」

という前提があり、

それをもとに、

「一本!」という有効打突であるか否かが、判断されます。

(当たっていればいい、というわけではないんですね^^)


また、剣道の段位認定には試合のほか

木刀を以って行う 形(カタ)の審査があります。

ここにも、

「単なる打ち合いに終わらず、刀法としての根本を失わないこと」

とする意味合いが感じられます。


その上で、のことなのですが



やはり試合においては

刀とは 重さも形状も違う、竹刀が用いられ

かつ

決められたルールの中で、いかに勝つか

ということが重要視されることから

実際の刀の扱い方(刀を以って人体を的確に斬る)と、まったく同じにはなるべくもなく

「剣道は剣道」として、

独特のスタイルとなっています。


(もちろん、

動体視力や俊敏性、間合いを読むこと、精神性など、

双方に共通する、養うべき資質はありますが。^-^ )



剣道と居合には

多くの違いがあります。



差異が生じる要因を、ざっくり挙げれば

・競技性の有無

・刀で「斬る」と、竹刀で「打つ」

なのですが


その違いを

具体的に追っていきたいと思います!





<競技性による差異> については、

「古武道には試合がない?」の記事にまとめましたので、

詳細は割愛します。


(たとえば 具体的に、剣道のルールについて記せば

打突部位は、面・胴・小手・突き。

打突方法も決まっています。

古流には、

小手を下から切り上げたりするような技もありますが

剣道では禁止です。

スポーツにはスポーツとしてのルールがありますから、

刀法の全てを駆使するわけにはいきませんよね。)




次の違い。

<鞘の有無>


そう、剣道には

一目瞭然、鞘がありませんね。

刀でいうなら、

すでに鞘から抜いて、相対しているところからはじまります。

居合は

鞘に納めているところからはじまりますから、

鞘からの“抜刀”から“納刀”までが当然含まれるのです。




次に

身体操作の違いとして

<腰・重心>


剣道は

歩幅を狭く取り、腰・重心が高いです。

対する相手が、正面の一人のみですから

前後左右への対応という観点は必要ないこと、

そして 瞬発的に先に“打ち取る”ことが重要になるからです。

居合は

反対に、腰を据えます。

敵は前後左右 数名を想定しているため

自在に動ける下半身が肝要であり、

また「竹刀の重さで、打つ」ではなく「刀の重さで、斬る」場合

下半身から安定していることが不可欠だからです。

また腰が変われば、足運びも変わってきますね^^




<構え>にも違いがあります。

剣道は

試合において、[中段の構え]が取られます。

竹刀の先の延長線上が、相手の喉の位置にあたる構えですね。

居合は

様々な構え方があります。

なかでも

刀を、相手の方に差し向けるようなかたちをとるケースは…

…それほど多くはないはず。

(構え自体はもちろんありますが、状況として、です。)

実際 刀で相対してみると、わりと危い体勢だと感じられます。

おいそれとは、刀を前に出せなくなる。


そうそう

剣道ではよく

鍔迫り合い(つばぜりあい)がありますね。

刀では、ほぼ有りえないはず

…と言い切るのも難しいけれど

少なくとも、

剣道の鍔迫り合いの体勢で、こう着状態になることは

ないはず。


そもそも

カチャンカチャンと何度も刀をぶつけ合って攻防するような戦う

(殺陣でよく見られるような)シチュエーション自体にも

ならないんですよね(^-^;)

実際の勝負は、一刀で決してしまうことがほとんどかと思います。




また別の観点に移りますと

<相手の有無>


剣道においては

実際の相手と対戦するため、勝敗は明確に突きつけられます。

言い逃れもできない世界ですよね。

試合があるからこそ味わえる、

実戦の機微というものも養われていくのだと思います。

居合の場合は

仮想敵となります。

なので

業としては、必殺である実戦的な形をとっているものの…

いかにも“やっている気”になりやすいというか、

自己満足の世界になりやすい、というか…

かたちとしては古来から継承はしているものの

いつのまにやら表面的な形式のみに陥りやすい、

という側面は…あります。

書いているわたし自身が、

精進せねばならぬ点ですよ…!





・・・具体的な違いは

こんなところでしょうか > <




色々と、比較例を挙げましたが

おそらくは

剣道においても、高段者であるほどに

刀の理合いにも精通していらっしゃるのだと思います。

競技性と合わせて、両面を

鍛錬され続けていらっしゃるのではないかと思います




わたし自身は

中学時代、剣道部員で

曽祖父は、剣道の先生でした。

剣道と居合、どちらにも馴染みがありますよ〜^^



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2016.5 過去ブログより編集・転載した記事です