その前屈、本当に「もも裏が硬い」から? 2026.09.03 01:45 前屈をすると、もも裏が突っ張る(汗)そうするとやっぱり、「私、もも裏が硬いんだな」と思ってしまいます。もちろん、筋肉そのものの柔軟性も前屈には関係していますが・・・長くヨガを続けながらいろいろな体の変化を見ていると、柔軟性ってそれだけで決まっているわけではないと実感しています。私がそれ以上に大切だと思っているのが、体の使い方です。同じ人の、同じ日の、同じもも裏でも、体の使い方を少し変えただけで、前屈の深さが驚くほど変わることがあります。今日は、前屈が苦手な人にぜひ試してほしい、とても簡単な方法をひとつ。お尻の位置を、思い切って高くしてみます。膝を曲げても前に行きにくいときもも裏が突っ張るときは、膝を曲げると少し楽になります。これだけで動きやすくなる人もいます。でも、膝を曲げても「あれ、やっぱり前に行けない」ということも結構ありますよね。そんなときに見てみたいのが、骨盤の動きです。前屈は、頭を膝へ近づけていくというより、骨盤が股関節から前へ傾いて、そこから上半身がついていく動きです。もも裏のハムストリングスは、骨盤の下にある坐骨につながっています。もも裏の張りが強いと、脚を前に伸ばしたときに骨盤が後ろへ引っ張られやすくなります。膝を曲げてもまだ骨盤が後ろへ倒れていると、前に行きたくても動ける余白が少ない。そこで頑張って前屈しようとすると、股関節から折りたたむより、腰や背中を丸める動きが大きくなります。ならば、お尻をぐんと高くしてみるお尻の下にブロックを1個。それでも動きにくかったら、私は2、3個くらい使って、思い切って座る位置を高くすることもおすすめしています。「こんなに高くしていいの?」くらいで大丈夫です。座る位置が高くなると、脚と骨盤の位置関係が変わります。後ろへ倒れていた骨盤が前へ傾きやすくなって、股関節から折りたたむための余白が生まれます。もも裏の突っ張りも少なくなって、前屈そのものがぐっとやりやすくなることがあります。「あれ? さっきより前に行ける」クラスでも、この変化を何度も見てきました。昔の折りたたみ携帯みたいに私は前屈をするとき、「昔の折りたたみ携帯みたいに、股関節からパタンと二つ折り」と伝えることがあります。もちろん、本当にペタンと二つ折りになる必要はありません。前屈の深さより大切なのは、「あ、ここから折りたたむんだ」という感覚を体が知ること。お尻を高くすると、今まで背中を丸めながら前へ行っていた人も、股関節から上半身を運ぶ感覚がわかりやすくなります。同じ日の、同じもも裏なのにここが、今回いちばん伝えたいところです。ブロックを使う前と後。ほんの数分しか経っていません。その数分で、もも裏の筋肉そのものが急にものすごく柔らかくなったわけではありません。それなのに、前屈は変わる。その人がもともと持っていた動きを、使えるようになったんです。柔軟性というと、つい「硬いところをもっと伸ばそう」と考えます。もちろん筋肉そのものの柔軟性も大切です。でも私は、それ以上にまず体の使い方を大切にしています。使い方が変わると、今まで「硬くて動かない」と思っていた体が、意外なほど動くことがあります。そして、その動きを繰り返していくうちに、柔軟性も少しずつついてきます。だから、「私は体が硬い」と決める前に、一度だけ条件を変えてみてください。高さを変える。角度を変える。いつもとは少し違うところから動いてみる。「あ、私の体、ここまで動けるんだ」そんな感覚に出会えたら、それが次の動きにつながっていきます。硬いと思っていた体の中にも、まだ使っていない動きがちゃんとあります。自分の体って、やっぱり愛すべき存在です。