SONG OF THE EARTH 311 Candle JUNEが繋ぐ被災地の笑顔。
SONG OF THE EARTH FUKUSHIMAが3月10日と11日に開催された。3月11日 14時46分の黙祷の後、Candle JUNEさんはステージからメッセージを発した。なぜ被災地でイベントを続けるのか。月命日には、必ず福島に赴き、イベントを続けているCandle JUNEさん。その言葉を掲載。
9年目の311に、こんなにたくさんの方々がいてくれてありがとうございます。
昨日もテレビをつけました。「あの日を忘れない」とか「あの日の記憶を残すように」とか、久しぶりに津波の映像をたくさん見ました。嫌だなあと思いました。津波の被害にあった方々はちょっとずつですけど、戻られていると思いますけど、どこの被害地域もあの頃のように戻ったところはひとつもないはずです。当たり前ですけど、亡くなった方は一人も戻ってきていません。
残すことってなんだろうなって思います。毎年、あの映像を見せて何が楽しいのかなって思います。被災地支援って何かなって思います。被災した一人一人を考えたときに、まあまあな数にお会いしてきました。みんな言います。3月11日になると、あの日に戻されるようで辛いんだよねって。だからこれをやっています。そんな映像を残して、子供達が大きくなっていくときに、何が楽しいって。昨日も、楽しくて、うれしくって、おいしくって、ありがとうっていう一日が、みんなでできていたと思います。今日こそ、そういう日を作るのが、今を生きる日本の大人たちの本当の仕事のはずなんです。
メディアにはなかなか出られませんが、今日だけは言います。キャンドルを灯しているのは追悼のためですかって聞かれます。違います。そういう火を灯しているんじゃないんです。そのためにみんなが集まっているんじゃないんですってことを伝えて欲しいんです。みんなテレビとか新聞なんか見ないでください。ここに来て、福島でずっと生きている人たちと触れ合ってください。そして、あの頃ボランティアしてたんだよねっていう人たちは、今日も支援活動をしたぞって帰ったら自慢してください。今の日本の大人たちは必ず311という引き出しを持っているはずです。あの頃、瓦礫撤去をしたけど今は何もしていないんだよって残念そうに言うのもやめて欲しいんです。誰の家に行って瓦礫撤去したんですか。その人とお歳暮とかしていますか。そういうのを絆っていうんじゃないですかって。
今年から参加してくれている企業って言い方をしたくないんですけど、仲間たちがいます。それを自慢したいんです。自分たちはずっと通い続けているから、もしかしたら当たり前って思っている人たちがいるかもしうれないけど、8年間ずっと思っていたんだけど、何もできなかったから今年来ましたっていう人がいることを、福島の人に伝えて欲しいんです。そんな最強な支援は他にないはずです。来年もできます。9年間思っていたんだけど、何もできなかったんですよねっていう人を呼んできてください。10年も11年もそうです。絶対に日本人の大人っていう人たちは、それぞれ仕事をしているはずです。それぞれの仕事で、このSOTEにつながってください。不慣れな瓦礫撤去は、今の福島にはありません。
なんのためにこのイベントをしているのかっていったら、過去を振り返るんじゃなくて、今も起き続けている被災地に繋ぐため。これから起こってほしくないけど、起こるであろう被災地にどう支援するかっていうことの癖をつけているんです。食べ物屋さんがいます。洋服屋さんがいます。靴屋さんがいます。照明屋さんがいます、音響屋さんがいます。歌を歌って元気をくれる人がいます。フェスティバルには全部があります。だから、何があってもすぐに行くのはミュージシャンかもしれません。でも1年後に2年後に行く必要な人たちが必ずいるんです。その繋がりを作るために、このフェスティバルを続けています。
日本人が一番地球の声を聞ける人。大地からのメッセージを受け取れる人。おまけに海の声も聞こえる人。さらに本来であれば掘り起こすべきではないウランからはじまった放射性物質っていう生き物の声を聞ける人が、ここ福島にはいます。
最強なんです、福島。だから福島のおかげで世界が学んだよって、世界中から言ってもらえる日まで続けたいんです。
福島のことを、安全です、福島を食べようなんていう宣伝に乗る気はありません。福島って最高だぞって。福島で生きている大人たちが世界で一番最強だぞって。今の時点でも自慢してください。そしていつか、世界中から「ありがとう」がこの福島に返ってくる日まで、みんなの仕事をしてください。どうぞお願いします。
改めて宣言します。「9年目の売名行為、ここから始めさせてもらいます」。CandleJUNEです。ありがとうございました。
photo = sumi☆photo