vol.220「サムライの海外進出」について(前編)
NHKスペシャルの ↑ これを観た。ら、化け猫騒動なんて調べてる場合じゃないことに気がついてコーヒー吹いた。この頃の日本はまだ鎖国体制に踏み切る前で、なんとサムライを戦力として海外に輸出してたと言うではないか。おいおいおい、聞いてないよ〜にも程がある。
● まずは落ち着いて整理しよう
スペイン・ポルトガルの宣教師らに二心あるのは知っている。キリスト教を各地に広めることで侵略の基盤を作るやり口だ。信長もそれは薄々分かっていた。が、国内の勢力を鎮圧するため、あえて黙認して代わりに鉄砲を手に入れることを優先したのだ。スペイン・ポルトガルにとっても比叡山とかの仏教勢力を潰せるからwinwinだった。おかげで信長は天下布武まであと一歩のとこまで行くことができた。
続く秀忠も、天下統一を果たした後、スペインが日本の軍事力を利用して「明(中国)」を征服したい思惑を利用して、あえてキリシタン大名らを朝鮮出兵の最前線に送り込む。その目的は、キリシタン勢力の削減を狙ったものでもあった(それは初耳!)。そして大敗後、すぐさまバテレン追放令に踏み切る。
これにはスペインもムカついて「やったろか、お?」となるが、フェリぺ2世と秀吉が相次いで亡くなり、アジア侵略計画は影を潜める。そんな折、家康のもとへウィリアム・アダムスとオランダ人が難破して転がり込む。これを通じて家康は、スペインとオランダの覇権争いの実態を知る。
その半年後、家康は関ヶ原の戦いで石田三成が率いる西軍をあっさりと撃破。西軍を壊滅させたのは、オランダからの銃であった。
● スペインとオランダの覇権争い
当時スペインは最強の帝国として世界各地に植民地を広げていた。イギリス・オランダはそれに対抗すべく世界初の株式会社「東インド貿易会社」を設立。各国との貿易を強化(富国強兵)し、銀を大量に入手することでスペイン・ポルトガルに追いつけ追い越せと必死だった。
そこで目を付けたのが日本だった。調査により日本には世界の1/3の銀が眠っていると嗅ぎつけた。実際、家康も佐渡をはじめとする各地の銀山をおさえ、産出作業に取り掛かっていたところであった。オランダは家康に接触し、日本の良質な銀と引き換えに最新兵器を与える話を持ちかける。
スペインもまた家康に接触し、銀山で働く技術者(専門の鉱夫)や武器の供給を提案。引き換えに①今後産出される銀の半分と②布教活動および③教会の建設許可、を要求した。が、家康は貿易と布教がセットになったスペインの提案を拒否。あくまで貿易のみに徹するオランダを選んだ。
やがて、大阪の陣が始まるとスペインは豊臣方についたが、オランダから最新式の大砲を手に入れた徳川方が勝利。オランダは日本から大量の銀を入手することに成功し、スペインと肩を並べるほど力を増すことになる。逆にスペイン・ポルトガルは植民地を広げすぎたせいで財政的に息切れが始まっていた。
ちなみに、アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を撃ち破ったイギリスも「東インド貿易会社」を立ち上げており、本来ならイギリスが世界に打って出てもおかしくなかったが、財政難を理由にモタモタしていた。
勢いに乗ったオランダは、次なる野望を掲げる。当時、香辛料の特産地モルッカ諸島や、海上交通の要マラッカなど、重要な貿易拠点の多くはスペインが支配していた。オランダはこのスペインの植民地を奪い取る計画を立てた。そのカギとなったのは戦国日本から輸出された驚くべき商品であった。
● 戦いの場を求めるサムライ達が海外に
日本の戦国時代が幕を閉じ、天下太平の江戸時代が訪れると、それまで戦を生業とした多くのサムライが失業。新たな戦いの場を求めていた。しかし、その力を生かせる場所は日本国内にはもうない。これに目を付けたオランダは、徳川幕府の許可を得た上で、屈強なサムライ達を傭兵として雇い始めた。
日本人傭兵を手にしたオランダは、スペインが支配するモルッカ諸島に目標を定める。モルッカ諸島はスペインの最重要拠点のひとつ。特産品の香辛料は一粒が同じ重さの銀に匹敵すると言われ、莫大な利益を生み出す商品であった。
スペインはモルッカ諸島の各所に堅固な要塞を築き、防備を固めている。オランダは長年その攻略を試みるも、果たせずにいた。この時、突破口を切り開くために送り込まれたのが日本人傭兵だったのである。
オランダが立てた「モルッカ攻略作戦」の記録が残されている。まず、軍艦が夜の闇に紛れて要塞に接近し、絶え間なく砲撃を加える。スペイン軍が釘付けになっている隙に、歩兵隊が密かに上陸。夜が明けるとともに敵の死角から一気に攻め入った。先陣を切ったのはサムライたち。槍や日本刀による接近戦で敵を切り崩した。サムライたちの決死の攻撃で要塞は陥落。オランダは勝利を手にしたという。
「日本の傭兵はオランダ人以上に勇敢だった。スペインをアジアから駆逐するには日本人傭兵が大きな助けとなる」
長きにわたる戦乱の世が生んだ最強の兵士、サムライ。その力を得たオランダはスペインの植民地を次々と奪取。貿易ネットワークを大きく塗り替えた。この後、世界の海を行くヨーロッパの船の実に4分の3にオランダの旗が翻ることになる。オランダは戦国日本と結びつくことで世界の覇権を手にしたのだ。
戦国、それは日本と世界が初めて本格的に出会った激動の時代。戦国武将たちの天下を巡る戦いの背後にはヨーロッパの大国の秘められた思惑があった。
一方、戦国日本が生み出した銀やサムライもまた、世界の歴史を大きく動かした。その当時の日本は、正に世界史の最前線にいたのである。
いきなりすごいグローバルな展開!
日本史と言うよりもはや世界史じゃないすか。すごいなサムライ!
と、ここで終われば「やっぱ武士ってカッコよー」て爽快なのですが、もちろん続きがありましてね。しかも後味悪〜いやつが。それは次回のお楽しみで。
参考
https://funa-karui.hatenablog.com/entry/2021/02/03/134028
https://ameblo.jp/ron1192ron/entry-12607700588.html