本番
おはようございます。
民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
2000年代初頭、勤めていた通販会社はまだ業績も悪くなく、また今のような円安でもなく、ラッキーにもパリやニューヨークにアパレルや服飾雑貨の仕入のため出張するという経験をさせてもらいました。インポーターさんの現地シッパー(現地でブランドと交渉したり輸出業務をして下さる方)に「あなたはモノを選ぶ時に(カタログで)どう表現するかを考えながら選んでいるのね。だから出来上がりビジュアルがしっくりきて美しい」と褒められました。パリのホテルで(時差ぼけもありつつ)パズルのように考えてたら寝れなくなってしまったのも今はいい思い出です。バイヤーの仕事をしつつ、カタログの企画・編集も担当していたので、そういう癖がついていたのだと思います。ビジュアルが先で商品が後。
テマヒマを独立開業して、手仕事の世界では、通販ビジネス、ファッションビジネスとは納期の考え方が大きく違うこともあり、商品が先、ビジュアル(陳列)が後という風に大きく変わりました。あとカタログ通販にしろECにしろ二次元の世界でしたので、リアル店舗で三次元の世界に変わりました。が、どう見せるか、どう伝えるかということの重要性は変わりません。
まだまだ先だと思っていた、高島屋の3年に1度に催事「民藝展」大阪会期の開幕がちょうど1週間後の9/16(水)と迫って参りました。現実感が出てきて少し緊張して参りました。今回の品揃えについては出品をお願いする各作り手にお任せしています。ある程度の方向性、予算感はお伝えしていますが、作り手の皆さんの今が伝わるものということでお願いしています。ギリギリまで窯焚きして下さっている作り手もいらっしゃって有難いことです。荷物もテマヒマを経由せず催事場に直送して頂くので開梱が終わるまで全貌は分かりません。陳列も出たとこ勝負、ぶっつけ本番。展示用什器はおおよそで百貨店さんに依頼しているので、頭の中でパズルをしてたら、昨晩寝れなくなってしまいました苦笑。パリのホテルではなく高槻の自宅です。考えてもしょうがないんですけどね。
テマヒマブースでは、主に関西で活躍する作り手を中心にご紹介します。他の老舗工藝店や、先輩手仕事店では扱いのない、民藝展ではフレッシュなラインナップ。皆さん僕とほぼほぼ同年代。配り手としてのテマヒマは8年目でまだまだ若手ですが、作り手の皆さんはまさに今油が乗っている時期と言ってもよいのではないでしょうか?
翁再生硝子工房
大阪交野市でガラスを吹く森岡英世さん。中ノ畑窯の佐藤さんからのご紹介がご縁のきっかけでした。再生ガラスならではの独特の柔らかさ、レトロ感が魅力です。吹きガラスというとぼってりとしたものが多い中、翁再生硝子工房さんの作品は繊細さがあります。「民藝」という文脈で取り上げられることは少ないかと思いますが、佇まいが美しく、暮らしに馴染む器で是非ご覧頂きたいと思います。昨年の高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」に続いての出品。代表作といってもよいワイングラスを中心にお願いしています。
河井達之(猿子田窯)
滋賀県で作陶されている河井一喜・達之さんご兄弟は開店当初からお取り扱いさせて頂いています。ご兄弟で作風も性格も全然違うのが面白い。鳥取の岩井窯山本教行・房江さんご夫妻との出会いがテマヒマ起業のきっかけになったことはテマヒマブログでもこれまで触れてきましたが、達之さんは山本さんのお弟子さんです。今回は「練り上げ」(異なる色土を組み合わせて模様の入った生地を作るテマヒマかかる技法)にフォーカスしてご準備頂きました。おそらく今回の民藝展で練り上げは唯一?初日にふらっと在店頂くかも?ちなみに兄・一喜さんは銀座たくみさんのブースでの出品です。
金城千琴(こはな工房)
普段テマヒマではお取り扱いはありませんが、昨年、難波高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」でご一緒したご縁で、今回出品頂きます。7月にはテマヒマでワークショップをお願いしました。鮮やかな色彩が印象的な沖縄の伝統的染色技法「紅型」(びんがた)の作り手。傘やバッグ、小物などバリエーション豊かにご用意頂きます。民藝展の横で、「柳宗悦が出会った沖縄の美~琉球の民藝~」が今日から始まりますが、沖縄気分を盛り上げながら、お立ち寄り下さい。尚、民藝展内の金城さんの紅型体験ワークショップは全回満席となっています。
木村恭子
三島手は、半乾きの土の表面に印花を押して模様を彫り、その凹みに白い化粧土を塗り込んでから拭き取るテマヒマかかる技法。テマヒマでいつかお取り扱いしたいと思っている中でSNSで富山県砺波市の木村恭子さんと出会いました。実際会ってから、実際モノを観てからという考えでお互い一致していたので、お取り扱いは工房にお邪魔してから一昨年から。木村さんの作品をご覧になれるのは富山以外ではテマヒマが初めてでしたが、百貨店でも今回初めてです。おそらく今回の民藝展で三島手は唯一?9/18,19に在店頂ける予定です。
小島紗和子
貝殻の内側にある虹色に輝く真珠層を薄く削り出し、漆器や木地などの表面にはめ込んで装飾する伝統的な技法「螺鈿」。小島紗和子さんはお父様の雄四郎さんのお仕事を受け継ぎました。螺鈿というと少し縁遠い印象を持ってしまいますが、紗和子さんがモチーフにするのは現代的で、女性らしい可憐さがあります。「私の頭の中です」と仰るお仕事場を拝見させて頂きましたがそこに蒐集された国内外の民芸品の数々がクリエイティビティの源泉なのですね。人気の裁縫箱や、山口和声さんとの共作「螺鈿陶額」シリーズもご準備下さいました。ちなみに椅子職人小島優さんはお兄様です。
中ノ畑窯
沖縄は読谷村北窯で学び、地元高槻・北部山間地域で作陶される佐藤央巳さん・友美さんご夫妻。定番を極めたいという央巳さん、色々新しいモノにもチャレンジしたいという友美さん。個人作家とも職人さんを抱える窯元とも違う夫婦ユニットというのが個性となっています。やちむんをベースにしつつもお2人のスタイルに進化しています。ご自宅兼工房にお邪魔すると、暮らしと仕事が隣り合っていることを実感します。実はこの夏、薪窯を再建されました。ご苦労もあったようですが、今展では、前の窯での最後の作品と新しい窯での最初の作品とが並びます。初日、在店して頂けるかも?
山口和声
三重県伊勢市で、お祖父さまの味噌蔵をリノベーションして作陶されている山口和声さんも岩井窯山本教行さんのお弟子さん。旧知でしたがお取り扱いが始まったのは阪急百貨店の「民藝と暮らす」展(コロナ禍で中止)がきっかけでした。スリップウェアの作り手は全国各地にいらっしゃいますが、和声さんの描くスリップウェアは、色合いも含め優しく、柔らかく、お人柄そのものです。タイトル画像は「民藝展」のイメージビジュアルで、SNS等でご覧になられた方もいらっしゃいますでしょうか?こちらは高島屋大阪店バージョンで、左端中央の八寸皿は和声さんのもの。この質感のものも人気です。
ちょうど先程、高島屋さんから会場全体の図面が届きました。これまでテマヒマブースのみ確認していたので、改めて今回の催事の規模に身が引き締まります。
いよいよ来週9/16(水)本番開幕!
これまで物販での催事出店は僕一人でしたが、今回は店主(うちの奥さん)も店頭に立ちます。錚々たる他の配り手の皆さん、作り手の皆さんとともに、心より皆様のお越しをお待ちしております。期間中、高槻のお店はお休みを頂きます。催事終了直後9/22~29の8日間は8周年直前!蔵出し市8DAYS開催で、物販のみ営業です。
テマヒマは昨日今日火曜水曜で定休日です。明日9/10 11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り4席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。
それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も好い一日を。