うみともコラム#05
◎オスとメスが入れ替わる魚がいるって知ってる?
「魚にもオスとメスがいる」
これは知っている人も多いかもしれません。
でも、海の中には……
一生のうちに、オスとメスの両方になる魚がいるんです。
「えっ、魚の性別って変わるの?」
そう思いますよね。
実はこれ、海の生き物たちが生き残るために身につけた、
とても不思議な生き方のひとつなんです。
◎最初はメス、あとからオスになる魚
代表的なのが、クマノミの仲間です。
クマノミは、イソギンチャクの近くで暮らしながら、群れをつくっています。
その群れの中には、
・いちばん大きなメス
・その次に大きなオス
・まだ子どもの小さな個体たち
というような順位があります。
もし、群れの中の大きなメスがいなくなってしまったら……
なんと、群れの中でいちばん大きなオスがメスへと変化します。
そして、その次に大きな個体がオスになります。
つまり、
「メスがいなくなったから、新しいメスが必要!」
という状況に合わせて、性別を変えるんです。
このような性別の変化を、性転換と呼びます。
◎反対に、オスからメスになる魚も
性転換は、メスからオスになる魚だけではありません。
たとえば、ベラの仲間には、成長するとオスになる種類がいます。
群れの中で大きなオスがいなくなると……
その群れの中のメスがオスへと変化することがあります。
つまり海の中には、
メス → オス
になる魚もいれば、
オス → メス
になる魚もいるんです。
◎どうして性別が変わるの?
「どうしてそんなことをするんだろう?」
と思いますよね。
その理由のひとつが、子孫を残すためです。
海の中では、いつもオスとメスが同じ数いるとは限りません。
もし、大切な繁殖相手がいなくなってしまったら、
子どもを残すことができなくなってしまいます。
そこで一部の魚たちは、
「今、この群れにはどちらの性別が必要なのか」
に合わせて、自分の体や生殖器官を変化させるのです。
まるで、海の環境に合わせて生き方を変えているようですね。
◎海には、まだまだ不思議な生き方がある
魚の性別の変化は、
私たち人間の感覚だけでは少し想像しにくいかもしれません。
でも海の中には、
眠る場所を変えたり、
体の色を変えたり、
環境に合わせて体のしくみを変えたり……
私たちが思っている以上に、
さまざまな生き方をする生き物たちが暮らしています。
「普通はこう」だけでは、海の生き物たちの世界は語れない。
そんなことを教えてくれるのも、海の面白さなのかもしれません。
海を知ると、
「どうしてこんな生き方をしているんだろう?」
という疑問が、どんどん生まれてきます。
その「なんで?」を大切にすることが、
海をもっと好きになる第一歩なのかもしれません。
海を知り、海を好きになり、海のために行動する。
うみともは、そんな海との出会いをつくっていきます。