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日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

草葉の陰はどこ?

2026.09.14 01:00

先日通訳中にある方の発言で「草葉の陰から見守っている」をいうのがありました。聞いた瞬間in the graveというイメージと訳が浮かびはしたのですが、そこはかとない違和感が・・・。


だってお墓ってことは死んじゃってますよね?そもそもそこまで頻繁に使う表現でもないし、お墓が浮かんできた自分のイメージは合っているんだっけ?と思ったこともあり、「草葉の陰から」という部分は敢えて落とすことにしました。


そんなことがあったと書き留めておいたんですが、今回のブログを書くにあたって改めて調べたところ、やはり「亡くなった人が見守っている」という意味でした。


果たしてこの表現を使った方は、組織を離れていなくなる自分のことを例えて、本来生きている人が言わないはずのこの表現を敢えてブラックジョークとして言ったのでしょうか?お聞きすることもできないので、真相は定かではありません。


一番重要な部分は「見守っている」ことなので、それは訳出しましたが、敢えてこの表現を使って、笑いをとりに行こうとしたのではないかと思えなくもなかったので、落としたのが正解だったのか、in the graveというのが正解だったのかよく分かりません。普段から頻繁に通訳を担当している案件でもなかったので、人となりもそこまで分からず、そうなると無難な選択肢に行かざるを得ません。


同時通訳者ってこんな感じの判断を瞬間、瞬間でしながら訳しています。もちろん原則的に話者のメッセージを編集する権利はないので、できるだけ訳出しますという大前提ではありますが。こんなふうにしているから長時間一人ではできないし、何時間にも及ぶ業務のあとはたとえ複数人で対応していてもどっと疲れるのです。