当社グループの強みを支える改善の横展開
現場改善活動の活性化状況や技術力・生産性の向上を可能な限り現地現物で確認するのが、私のポリシーです。
現場を訪問し、皆さんの取り組みや課題解決の工夫に直接触れることで、現場の知恵と情熱を共有する貴重な場だからです。
当社には、従来からこの文化があり、SRIM-CZ(スリム・シーゼット)活動を実施しています。
今回は、小牧製作所の防振事業本部と、埼玉事業所のファインエラストマー事業部におけるSRIM-CZの様子を紹介します。
緊急時に備える現場改善
防振事業本部では、重点活動の一つとして「安全な人・職場・組織づくり」を掲げ、日々改善活動が進められています。
今回は、S.E.C.Q.、コスト、省エネ、整流化などの観点から、17件の改善事例の報告を受けました。
そのなかで、防振事業本部生準統括部が、塗装・接着工程で体調不良者が発生した場合を想定して緊急対応を実演しました。
この工程は、塗装室内において単独で行う業務です。
塗装室のドアに小さな窓があるものの、室内の状況は外部から確認しにくく、人が多く集まる工程管理エリアから50mほど距離があるため、異変に気付きにくい環境です。
そのため、異変があれば即座に気付き、救急対応できる職場を目指して、さまざまな方策を検証しながら改善が進められました。
改善後は、塗装室で従業員が倒れた場合、点灯検知送信機が人の動きを感知し、倒れてから10秒後に異常検知アラームが作動するため、1分以内で緊急対応できるようになりました。
安全な職場環境づくりを推進する重要性に加え、ほかの工場にも展開できる取り組みであることから、横展開が可能な好事例であると改めて実感しました。
横展開から生まれた職場環境改善
ファインエラストマー事業部では、従業員のエンゲージメント向上を目指し、各部署から集まったメンバーが意見交換を重ねました。
その活動は、まず事業所に勤務する従業員の皆さんへのアンケート調査を通じて、職場のニーズを把握することから始めました。
この取り組みが加速した背景には、松阪事業所や小牧製作所などの職場環境改善事例を参考にしたことがあります。
アンケート調査で挙がった困りごとを重点課題として共有し、多様な働き方にも配慮した改善を進めています。
例えば、オープンスペースでのWEB会議中、音声が周囲に広がり、視線も気になる課題に対し防音性の高い個別型やファミレス型のWEB会議スペースを設けることで、集中できる環境を創出する改善案が出され、すでに一部リニューアルを終えたコーナーもあります。
これらの改善案は、試行錯誤を重ねながら一つずつ効果を確認しつつ、来期の本格展開に向けて現在も進行中です。
また、新たな会議スペースの確保が必要なことから、オフィス内書類を約70%削減し、DX化を進めるという新たな目標も生まれています。
こうした気付きの広がりを支えているのは、日々のコミュニケーションの積み重ねです。
他拠点の取り組みの横展開は、組織の活性化だけでなく、メンバー一人ひとりの成長にもつながる大きな刺激となります。
グループ全体で育む「改善の文化」
今回のSRIM-CZ活動では、報告者の皆さんが今後を見据えた重点活動に基づき、主体的に将来のあるべき姿を描きながら改善を進めていることが感じられ、心強く思いました。
防振事業本部では、事業本部内の別部門や関連するグループ会社への横展開が、全体の生産性向上にもつながります。
また、埼玉事業所をはじめとする各拠点が、お互いの改善事例を共有しながら、事業部門を越えた全社的な視点で改善活動を推進していくことを期待しています。
私は国内外を問わず、頻繁に製造現場を訪問し、構想中の改善案なども含め、現場の皆さんと率直な意見交換を重ねています。
今回のように他拠点の良い事例を自らの現場へ取り入れたり、自部署の取り組みを他部署へ共有したりすることは、当社グループの強みそのものです。
やりづらさを感じたら、遠慮なく声を上げてください。
基幹職の皆さんには、そうした声を受け止める職場環境づくりをお願いします。
改善に終わりはありません。
過去の概念にとらわれずに、ありたい姿を追求し、グループ全体で変化を好機ととらえ、果敢に挑戦を続けていきましょう。