スナップ『壁ドンを繰り返す訳』
以前取り上げた『背中でスリスリ』(記事はこちら)を楽しむ1歳の生徒さんは、今回も1歳児によく見受けられる『壁ドン』をなん℃も繰り返してくれました。また今回もその行動の意味を考えていきたいと思います。
この壁と壁の間を何度も往復しながら、手で壁を触る面白い行動は幾つかの事を同時に学んでいます。
1、触ると感触が変わることを楽しんでいる
手のひらで壁を触ると、ザラザラ・ツルツル、でこぼこ、冷たい・温かいなど壁の材質感を楽しんでいる様子が見受けられます。歩く → 壁に触れる → また歩く → 反対の壁に触れる、という一連の変化を楽しんでいます。前回の記事でも触れましたが、自分が動くと景色や感覚が変わることを面白がり楽しんでいることがわかります。
2、距離や空間を学んでいる
「こっちの壁からあっちの壁まで、このくらい歩けば着く」という空間認識が少しずつ育っていりをかぼちゃにつけてが読み取れます。とにかく楽しくってしょうがないと言わんばかりに何度も繰り返し、スピードを上げて壁ドンをし、壁と壁との間では下を向いて歩きを楽しんで、壁が近くなると目線を上に、そして手を上に振り上げて、壁に思いっきりドンと手をつきます。距離や空間を楽しんでいることは間違い無いのですが、もう少し距離があれば声を出してキャッキャッしながら楽しめたことでしょう。
3、手と足を協調させる練習
歩きながら壁に手を伸ばすことで、目・手・足を一緒に使う練習になります。つまり見る場所を目で決める → そして手を上げる → 壁に手をつく →最後に 姿勢を整える」という一連の動作の練習です。単に「手を壁につく」だけでなく、目で壁の位置や高さを確認して、手をそこへ正確に動かすという協応が起こっています。成長に伴いさまざまな場面でこの協調は必要になってきます。特に重要なのは、成長するにつれて「見る→手を動かす」だけでなく、「見ながら手の動きを調整する」能力が高まっていくのです。よってその育ちを大切に生活の中に織り込んでいく必要があるのです。
4、自分がやったことを繰り返して確かめている
1歳頃は「同じことを何度もする」のが大好きです。大人には単調に見えても、本人にとっては「もう一回やったら同じことが起こるかな?」という確認でもあります。特に興味深いのは、「往復」という動きそのものを楽しんでいる可能性です。
「歩く → 壁に触る → 向きを変える → 歩く → 反対の壁に触る」というパターンができると、子どもにとっては小さな遊びになります。さらに、自分の足で移動しているので、「自分の意思で世界を動き回れる!」という感覚にもなっていると思われます。つまり自分の体を使って、空間・感触・因果関係を研究していると考えて良いでしょう。
こういう時期は大人が遊びを「教えてあげる」より、本人が繰り返しやっていることを少し見守るだけでも十分な学びになっています。