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平成という時代が終わることについて

2019.03.22 07:10

 昨日、シアトルマリナーズのイチロー選手が引退された。深夜にも関わらず、その引退の勇姿と、その後の記者会見を見られた人も多いかと思う。

 私も、BS放送で、試合の途中からさらに記者会見の最後まで拝見した。感慨深いというか、とても感動した。そして当然、寂しい気持ちにもなった。


 平成という時代が終わろうとしている。


 この数年間は、文化やスポーツでの代表的な人たちが相次いで表舞台を消した。それが主体的であれ、他者介入であれだ。

 SMAPの解散、安室奈美恵さんの引退、そしてイチローの引退。個人的にはピエール瀧の逮捕も、なんだか時代を象徴しているような気がする。


 ちなみにSMAPのデビューから解散まで28年。安室奈美恵のデビューから引退まで26年。そしてイチローのプロ野球デビューから引退まで27年。いずれも約30年の月日、平成の真っ只中に旋風を起こした。


 平成は31年で終わる。約30年のこのあいだで、当然だが、20歳の人間は50歳になっている。15歳の人間は45歳になる。これは10年のような区切りでも20年のタームでもなく、あくまで大局的に考えられる年数なのかもしれない。

 また興味深いのは、この引退や解散などで賞賛されている人たちに対して、駆け抜けて、やりきったことの賞賛であることが興味深い。努力やコツコツ働いたり、地道に頑張ることが、あまりフォーカスされない時代のように感じるかもしれないが、やはり我々は、頑張り続けた人が好きなのだ。嫌なことや辛いことがあったとしても、数年のみならず、数十年頑張り続けた人は、やはり美しいし、感動的である。


 平成という時代、日本は大きな戦争がなかった。経済的にはだんだんと弱くなっている印象があるが、概ね平和な時代だったと言える。しかしながら、国内ではこの数十年で閉鎖感が漂っているような気がする。また幸せ度では日本は他国と比べて順位が低いようだ。それなりに豊かなのに、幸せを感じないのは、生き方や考え方に起因するところがあるだろうし、社会構造に大きな問題があるかもしれない。


「夢中」という言葉がある。 


 なにかを真剣に取り組んだりして、他のことが目に入らないとき、「夢」の中にいるような気分になる。そんな時、人は努力や苦労を重ねても、ある意味、幸せなのかもしれない。


 イチローのような偉大なスポーツマンに対して、我々が惜しみない賞賛を送るのは、彼らが「夢中」で生きているからかもしれない。

 そう考えると、我々は、「夢中」なものが見つからないから、幸せを感じられないのかもしれない。


 次の時代は、どのような時代になるのか誰もわからない。


 しかし、多くの人が「夢中」に取り組み、「熱狂」できる時代であれば良いと思う。