長岡京市立図書館を司書さんと歩く!みんなが楽しめる“本の森”の魅力
1987(昭和62)年の設立以来、長く市民に親しまれている長岡京市立図書館。約23万冊の蔵書を誇る、市内唯一の公立図書館です。1階は一般書、2階は児童書に分かれていて、一人でじっくり読書に耽るのはもちろん、子どもと一緒に本に親しむこともできます。
今回は、長岡京市での子育てや暮らしを考えている方にもその魅力を知ってもらおうと、図書館で働く司書さんに館内を案内してもらいました。見どころや活用術に加え、リノベーションに向けて動き出した図書館・中央公民館一帯の「文化ゾーン」のこれからについてもうかがいました!
長岡京市立図書館はどんなところ?
暮らしとまちを知る、1階の本棚
まずは、一般書が並ぶ1階から。入口から左へ進んだ場所にある「まちとしょコーナー」は、長岡京市役所のさまざまな部署と連携し、テーマに沿った本や資料を紹介する特設コーナーです。
取材に訪れたこの日は休館日で、ちょうど「まちとしょコーナー」の展示替えの真っ最中。市の職員さんたちがせっせと本や資料を並べていました。
9月の「認知症月間」に合わせた展示(写真左)では、関連図書とともに啓発パンフレットなども陳列。さらに、毎年11月に開催される「長岡京ガラシャ祭」にちなんだ展示(写真右)もお目見えしていました。紙工作の鎧かぶとなどが飾られ、早くもお祭りムードです♪
常設の「ガラシャコーナー」の本も、10月末までまちとしょコーナーに移されています。細川ガラシャは、夫・忠興とともに新婚時代を勝龍寺城で過ごした、まちにゆかりの深い人物。ここにはガラシャに関する本のほか、同じ時代を扱った本も幅広くセレクトされ、当時の歴史や文化にも関心が広がる内容です。
ガラシャコーナーの近くには、医学や料理、手芸など、日々の暮らしに身近なジャンルの本を集めた「くらしのコーナー」があります。暮らしに役立つ情報を得るならまずはこちらへ。
くらしのコーナーのなかには、誰もが読みやすいよう工夫された「LLブック」を並べた「読書のバリアフリーコーナー」も。「LL」とは、「やさしく読みやすい」を意味するスウェーデン語「Lättläst(レットレスト)」の略で、大きな文字やわかりやすい文章、写真やイラストなどが使われています。遊び感覚で楽しめる本からお仕事紹介の本まで、バリエーションも豊富です。
長岡京市の郷土資料だけでなく、友好姉妹都市(中国・寧波市、米国・アーリントン、静岡県伊豆の国市)に関する本も扱っています
親子でのんびり過ごせる、2階の児童書フロア
続いて、約5万冊の児童書が並ぶ2階へ。ここでひときわ目を引くのが、20畳ほどの広さがある「おはなしコーナー」です。靴を脱いで上がる絨毯敷きのスペースで、親子でくつろぎながら絵本を楽しめます。
本棚には、乳幼児向けの絵本のほか、利用者のリクエストから生まれた、日本・世界の昔ばなし絵本を集めた一角も。同じ昔ばなしでも、絵や表現の異なる作品があり、読み比べるのも楽しみ方のひとつです。
また、このコーナーは読み聞かせイベントの会場にもなります。そこで活躍するのが、大迫力の大型絵本! 通常サイズと比べると、その大きさは一目瞭然です。こんなに大きな絵本ですが、実は個人での貸出もOK。親子の集まりなど、大人数で本を囲む場でも活用できますね。
さらにフロアを進むと、カラフルな箱が並ぶ「ひとはこライブラリー」があります。市内の小学校の図書ボランティアさんたちと連携し、テーマに沿ったおすすめ本を紹介するコーナーです。本のそばには、内容にちなんだ手作りの作品も添えられ、思わず手に取りたくなる展示になっています。
例えば、「いただきます」の工作が添えられた箱には、食べ物にまつわる本があれこれ。図書ボランティアさんから提供された図書リストをもとに、司書さんが本をそろえているそうです。
長岡京市在住の児童文学作家・あまんきみこさんの本棚も必見。『車のいろは空のいろ』『ちいちゃんのかげおくり』などで知られるあまんさんの作品を数多くそろえています。地元ゆかりの作家さんの世界にどっぷり浸るのもいいですね。
ここで、司書さんから教わった本選びのヒントをひとつ。児童書の背表紙についたラベルは、色によって読みやすさのおおよその目安が示されています。 ピンクは挿絵が多い小学校低学年向け、黄色は漢字が増える中学年向け、青は高学年向けで、大人の本とほとんど変わらない読み応えがあります。どのあたりから選ぼうか迷ったときは、ラベルの色を手がかりにしてみてください。
大人も子どもも楽しめる多彩なイベントを実施
イベントは年154回!乳幼児向けは週1以上のペース
本との出会いを広げてくれるイベントも、長岡京市立図書館の魅力です。令和7年度には、読書推進イベントを154回開催。そのうち乳幼児向けは88回と、単純計算で週1回以上のペースです。
「文庫まつり」「めっちゃ図書館」「いい本みっけ!」――名前を聞くだけでも気になるイベントがいろいろ。単なる読み聞かせにとどまらず、工作や人形劇、自然観察などを取り入れ、子どもたちの興味を引き出す工夫がされています。
「イベントを通じて、子どもたちが成長していく姿に触れられるのもうれしいですね」と司書さん。最初は親に本を選んでもらっていた子が、やがて自分で選ぶようになる。そんな変化を目にすることもあるそうです。
イベントで扱った本やそこで作った作品は、終了後も館内に展示されています。参加した人にとっては、体験を振り返り、さらに興味を広げるきっかけに。参加できなかった人も、展示を見れば「やってみたい」「次は参加してみたい」と意欲が湧いてきそうです。
「音」をテーマにしたイベントで使用した本や関連工作。ストローを引くと、カエルの鳴き声そっくりの音が!
大人向けのイベントも、地域ぐるみで
乳幼児から小学生まで、年齢や興味に合わせた催しのほか、文学に親しむ講座など大人向けのイベントも開かれています。イベントの運営には、市内の「地域文庫」や読書ボランティアの皆さんも協力。開催内容や日程など、詳しくは図書館の公式ホームページでチェックしてみてください。
このほかにも、本と利用者を支えるさまざまな仕事を担う司書さん。次はその仕事ぶりを見ていきましょう。
本と利用者を支える、司書さんの仕事
開館前から始まる司書さんの一日
本の返却に便利なブックポスト。その内側には、本を傷めないように、壁や底にクッションが敷かれています
司書さんの一日は、開館の1時間以上前から始まっています。ブックポストに返却された本の整理、予約本の準備など、朝からフル回転。開館後は、カウンターでの貸出・返却対応やレファレンスと並行して、選書や発注、他の図書館との本の受け渡しなど、いくつもの仕事をこなします。
選書から閉架書庫、本の修理まで
利用者からのリクエストも参考に、新しく入れる本を選定。毎週100冊ほどを発注し、届いた本は一冊ずつ確認して貸出の準備をします
今回は特別に、普段は入ることのできない閉架書庫も見せてもらいました。ここには蔵書の半分以上を占める、約12〜13万冊が収められています。利用者から閉架図書のリクエストが入ると、司書さんがその都度書庫へ。びっしり並んだ可動式の本棚を操作し、目当ての本を手早く探し出します。
可動式の本棚が並ぶ閉架書庫。本の所在を示した検索票が蔵書を見つける手がかりに
膨大な蔵書の中には、市民から寄贈された本も含まれています。寄贈は随時受け付けていて、特に人気のある新しい本や長岡京市に関する本・資料は大歓迎だそうです。
傷んだ本を修理するのも、司書さんの大切な仕事です。 なかでも厄介なのが、破れた部分に貼られたセロハンテープ。時間が経つと、変色したり、粘着部分がべたついたりして、修理に時間がかかるそうです。「うっかり破ったり、破れを見つけたりしてもテープを貼らずにそのまま持ってきてくださいね」と司書さん。
図書館の本はたくさんの人が手に取るので劣化は避けられませんが、少しでも長持ちするよう大切に読みたいですね。
「知りたい」「読みたい」に応えるレファレンス
こうして利用者からは見えにくいところで、本棚の整理や本の修理、展示づくりなど、時間のかかる仕事が積み重なっています。さらに、本の入れ替えや配架作業など、意外と体力を使う場面も多いそうです。
裏方仕事をこなしながら、利用者一人ひとりの「知りたい」「読みたい」に応えるのも司書さんの大切な役割です。
「昔読んだ本をもう一度読みたい」と相談を受け、うろ覚えのタイトルや内容を手がかりに一緒に本を探すことも。目当ての一冊を見つけられたときや、後日感想を伝えてもらえたときはうれしさが込み上げてくるそうです。
「こんなことを聞いてもいいのかな?」とためらわず、探している本や知りたいことがあれば、気軽に司書さんに相談してみましょう。
長岡京市立図書館の便利なサービス
スマホで貸出券の表示・予約・延長ができる
長岡京市立図書館では、1人10冊まで、2週間借りることができます。貸出券のバーコードはスマートフォンでも表示できる(※)ので、カードを持ち歩かなくてもOK。本の予約や貸出期間の延長もスマホひとつで完結します。
※詳しい方法は、図書館の公式ホームページでご確認ください。
バンビオで予約本を受け取り・返却できる
予約した本の受け取りや返却は、JR長岡京駅前のバンビオ1番館1階の「行政サービスコーナー」でも受け付けています。土・日曜や図書館の休館日も午前9時から午後10時まで開いているので、通勤・通学やお出かけのついでに立ち寄ることができます。駅近で夜まで利用できるのは、忙しい人にうれしいサービスですね。
一人ひとりの読書を支えるサービス
障がいがあるなどの理由で図書館へ足を運ぶのが難しい人向けに、自宅まで本を届け、後日回収もしてくれる「アウトリーチサービス」も行っています。貸出期間も最長1か月まで延長でき、ゆとりをもって読書を楽しめます。利用を希望する方は、図書館へ相談してみてくださいね。
また、2026年12月からはオーディオブックを導入予定。来館が難しい人や、読書に困難を抱える人にも、新しいかたちで本を楽しめる環境が広がります。
図書館から広がる、長岡京のまちとのつながり
図書館は、まちへの入口でもある
館内を歩いて気づくのは、図書館には長岡京のまちを知る手がかりがたくさんあること。「まちとしょコーナー」や「ガラシャコーナー」、地元ゆかりの児童文学作家・あまんきみこさんの本棚など、本を通してまちの歴史や文化、旬の情報に触れることができます。
長岡京市に引っ越してきたばかりのご家族には、長岡天満宮から八条ヶ池を歩き、図書館のある文化ゾーンへ向かう散歩がおすすめ。図書館の窓からは、長岡天満宮の四季折々の景色も望めます。
「えほんのひろば」などのイベントには、乳幼児連れの家族が多く参加していて、親同士の交流の場にもなっているそう。イベントへの参加が、新しい知り合いをつくるきっかけにもなりそうです。
まちを知る手がかりも、人とつながるきっかけも、図書館に行けば自然と見つかるかもしれません。
2030年度、長岡京市立図書館はどう変わる?
文化ゾーン全体をリノベーション
文化ゾーンリノベーション事業の計画図(2026年9月現在)
長岡京市では今、図書館・中央公民館を含む「文化ゾーン」全体をリノベーションする計画が進行中。目指すのは、多様な世代が集い過ごせる「心地よい居場所」。2030年度中の完成を予定しています。
約1,600件の市民の声を、これからの図書館へ
計画づくりにあたっては、市民参加型のオンラインプラットフォーム「Voice NAGAOKAKYO」を通じて、市民から約1,600件の意見やアイデアが寄せられました。学習スペースや読書空間の充実、子ども・若者の居場所づくり、カフェ機能、屋外空間の活用――さまざまな声が、これからの図書館のかたちに反映されていきます。
一方で、変わらないものもあります。児童書や子ども向けイベントの充実ぶりは、長岡京市立図書館の大きな強みです。新しく生まれ変わっても、子どもたちの成長を支える活動はこれからも続いていきます。
本を読んだり、イベントに参加したり、まちの情報をキャッチしたり。図書館には、本を借りるだけではないたくさんの楽しみ方があります。長岡京市で新しい生活を始めたばかりの方も、長く暮らしている方も、気軽に足を運んでみてくださいね。
Information
長岡京市立図書館
京都府長岡京市天神4-1-1
075-951-4646
10:00~19:00(土・日曜、祝日は17:00まで)
月曜(祝日の場合は月曜とその翌日)、毎月1日(日・月曜または祝日の場合は別に定める日)、年末年始・特別整理期間
▶休館日について詳しくはHPのカレンダーをご確認ください