業界の“良識人”からみた予備校論〈第9回〉
第9回は,「予備校講師と話術」です。
今回は,「地歴公民科の予備校講師が必要とする完璧な話術」に迫ります。
さて,みなさん。
本日,半世紀以上にわたり関西の“朝”を彩ってきたラジオ番組が,その歴史に幕を下ろしました。
昭和時代,関西の“朝”は「ありがとう浜村淳です」からはじまりました。
1974年(昭和49年)4月に放送がスタートし,毎週,月曜日から土曜日の6日間,足掛け53年つづけられてきました。
月~金曜日の平日放送は2024年(令和6年)3月で終了,土曜日の放送はつづけられていましたが,それも本日9月26日をもって最終回を迎えました。
ラジオ放送では異例の聴取率10%超を記録することもあり,パーソナリティーの浜村淳氏(91)は,われわれの年代よりも上の世代の関西人にはおなじみの人気タレントで,文学,歴史,映画などの深い教養をベースに,講談,落語,浪曲といった日本の伝統話芸の要素を取り入れつつ,現代のテレビやラジオに合わせてアレンジした庶民的で親しみやすい関西弁での話術で知られます。
さすがに80歳を超えてからの直近10年間ほどは,しゃべりの衰えは隠せなかったですが,40歳代,50歳代の頃の話術はほんとうに名人芸でした。
番組内の名物コーナー「映画サロン」は,おもに公開前の映画解説が行われますが,登場人物の服装や表情,その日の天気,背後の景色にいたるまで,映画館のスクリーンの映像が鮮明にアタマに浮かぶほど情感たっぷりに語られます。映画本編を観るより面白く,ときに悲しくリスナーはラジオの前で涙を浮かべてしまうこともしばしば。ただ,映画に対する思い入れが強いがゆえに,ほぼラストシーンまで語りつくしてしまうため,われわれは映画館まで足を運ぶ必要はなくなります。
これこそ,地歴公民科の予備校講師が必要とする完璧な話術です。