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みよみよサポーターず

4月の選挙で考えるべきことについてまとめてみました。

2019.03.22 14:56

本日22日は金沢市の2019年度の予算の大枠を決める3月市議会が閉会する日でした。

そしてまもなく4月に入ると、いっせい地方選挙が全国各地で行われます。石川県内でも県議会議員選挙をはじめ、金沢の市議会議員選挙もあります。

そこで今の金沢市の状況を見まわして、4月の選挙で考えてみるべきことについて書いてみました。


1、市民の暮らしにお金がちゃんと使われているか?

 金沢市が実施した「子どもの生活実態調査」では月々の収支が赤字という世帯が一般世帯で22%、相対的貧困ラインの世帯では58%にものぼるというとんでもない結果が出ています。山野市長も「経済的・生活事情などえ子どもが十分なことができず、困難を抱える家庭が存在することが改めて明らかになり、ショッキングな気持ちで重く受け止めた」と認める通り、子育て世帯をはじめ経済的な不安を抱える方が多くいるというのが金沢市の現状です。

 ところが金沢市の市政としては、この市民の経済的な不安を解決する方向になっているでしょうか?


①周辺自治体がのきなみ高校卒業までを対象としている子ども医療費助成制度が中学卒業までしかない。

②国民健康保険料が高すぎで払えない世帯が約2割にのぼる。

③ごみ有料化が始まったこの1年間で、有料ゴミ袋などで6億5000万円の負担増


 これらは一例ですが、国の方で議論が進んでいる消費税の10%への増税や社会保障や介護負担の増などの問題もあり、金沢市として国や県にしっかりと意見を伝えていくことが必要になっています。


2、その一方で進む大型開発や観光事業はどうか?

 みなさんもご存じのとおり、北陸新幹線開業に端を発する北陸地方が全国から注目されるようになると同時に、金沢駅周辺や金沢港などを中心に大型事業や観光向けの事業が相次いでいます。


 税金を投入した事業の一例をあげると・・・

①金沢駅西口富裕層向けホテル建設・・・土壌汚染対策に5億円、周辺整備に6億円

②東京からの国立近代美術館工芸館移転・・・石川県と金沢市で33億円(今後追加の可能性あり)

③金沢港への大企業ならびに大型クルーズ船誘致・・・石川県と金沢市で870億円

④金沢駅周辺の1万人規模の金沢アリーナ建設構想・・・建設費約100億と見積もられ、5割前後の税金投入の可能性


 このほか2019年度予算でも提案された富裕層向けの誘客事業や補助、観光対策を名目にした宿泊税の導入など、ある意味では金沢市が今最も力を入れているのが、この富裕層誘致の事業や観光事業だと言えます。




 まず前提として、自治体の役割はみなさんから集めた税金をしっかりと配分をして、暮らしや経済活動、健康や教育などさまざまな施策を実行していくことにあります。その意味では大型事業や観光事業がそのまま問題と言うわけではありません。

 しかし、1のところで紹介したように子育て世帯をはじめとして、経済的な不安を抱えている方が多くいるなか、それを軽減する施策を先延ばしにしたり、新たな負担増を押し付けてまで大型事業や観光事業を優先する必要があるでしょうか?

 上の項目でも見たように大型事業や観光事業はかなりの予算を使います。これはもちろん市民のみなさんから集めた「税金」です。その実施には「適切な時期に、適切な規模で」行うこと、市民の暮らしや福祉、経済活動全体を第一に考え、大企業や富裕層など一部の層だけをターゲットにした施策には慎重であることが求められます。


「市民の暮らしを支援する施策を優先させる金沢市に変えるか?それとも引き続き、大型事業や観光事業を継続・推進するのか?」


これが1つの選挙の大きな争点になります。


3、市議会の中で役割を果たしている議員は誰か?

 自治体の政策や予算の決定の流れを考えると、首長が各部局とともにまとめた予算案や条例案を議会にかけ、議員の討論や市民からの意見を踏まえ修正しながら決定する形になっています。また逆に、議員からの提案や市民から請願やパブリックコメントなどで寄せられたものを反映していく形もあります。

 議員の大きな役割として「首長の提案をチェック・監視し、修正を提案すること」「議員側からも首長に積極的に提案を行い、かつ市民からの意見を届けること」になります。「首長と議会が互いに緊張関係を保ち、お互いの提案をチェックしながら予算や条例をいいものにしていく」のが地方自治体が二元代表制をとっている大きな理由です。

 チェック機能を果たしているかは予算や決算への態度にまず大きく現れます。首長の提案した予算、それに対する決算の問題点やさらなる改善点があれば指摘し、「反対」の意思表示を示すことで予算の修正や決算の見直しを求めるのが議員側の大きな役割です。

 またもう1つの役割として「議員からの提案、市民からの声の反映」がありますが、これは毎回の議会・委員会質問でいかに市民の声をくみ上げ、寄せられた請願・陳情を真摯に議会に届けているかが問われます。

 

4、国や県の政策が金沢市民に悪影響を及ぼす時、しっかりと意見が言えるか

 わたしたちにとって一番身近で、最終的にいろいろな行政サービスの窓口になるのが市町村であり、金沢市民にとっては金沢市がそれにあたります。だからこそ市町村は国や県の政策が住民に悪影響を及ぼすおそれがある場合は、それに反対し、改善を求める「最後の砦」になります。

 一例をあげると国が実施を狙っている10%への消費税増税。「社会保障や福祉を充実させるため」と国は言いますが、実際は地方消費税率の引き上げによって地方財政の増収になるが、一方でそのぶん地方交付税などが減らされるため、地方にとっては増収の恩恵を受けることができません。それどころか消費の冷え込みや支払う消費税の増加によって、地方財政や地方経済が大きな打撃を受ける可能性が高いのです。これは「住民の生活と福祉を守る市町村の役割」に照らせば、消費税増税そのものへの賛否は別として、国に反対や改善を求めるべき事態のはずです。

 また、子育て世帯の方が不安に感じている子どもの医療費については、石川県の姿勢が大きく影響しています。子どもの医療費助成(無料化)については各市町で中学卒業や18歳までということになっていますが、この中で石川県単体では通院が3歳まで、入院が小学校就学前までしか予算を出しておらず、大部分が各市町が予算を出しているという状況です。この県が出している予算の少なさは全国的にもかなり少ない方で、石川県が全国並みに予算を出せば全市町が18歳までの助成にできますし、これまで医療費助成にあてていた予算を別の支援に使うこともできます。
金沢市に住む子どもたちの健康と成長を願うなら、本来は市が一丸となって石川県に改善を求めるべきではないでしょうか?


5、まとめ~選挙は上の4つの役割を果たせる議員を見極めるチャンス~

 以上、4点にわたって選挙で判断するべき基準についてまとめてきました。

 そしてこれらの基準に照らして判断する時に中心の材料になるのが「議会活動においてその議員がどのような意見表明をしているか」になります(下記のリンクから議会での議員の状況が確認できます)

 これらの議会における意見表明、議会での質問内容を見ると上の4つの基準を住民目線で満たしているのは「日本共産党」のみということになると思います。

 みなさまもぜひこれまで各議員がどのような意見表明を議会を通じて行ってきたか、住民目線で市長の提案をチェックし、改善を求めてきたかを精査していただき、選挙の際の判断材料にしてもらえればと思います。