発達障害の子にオンライン療育は合う?家庭でできる支援とは
「療育を受けさせたいけれど、毎回の通所が難しい」
発達障害のある子どもを育てていると、そんな悩みが出てくることがあります。
近くに希望する施設がなかったり、送迎の時間を確保できなかったり、子ども自身が慣れない場所を苦手としていたりするケースもあります。
そんなときに選択肢の一つになるのが、オンラインで受ける療育です。
画面越しの支援に「それで本当に療育になるの?」と感じる人もいるでしょう。
オンライン療育は、通所型の療育をそのまま画面に置き換えるものではなく、自宅という環境を生かしながら、子どもとのやり取りや家庭での困りごとを支援につなげていく方法として考えると分かりやすくなります。
発達障害の子どもにオンライン療育という選択肢がある
療育というと、施設へ通い、支援者と一緒に課題へ取り組む姿を思い浮かべるかもしれません。
しかし、子どもの特性によっては、知らない場所へ行くこと自体が大きな負担になることがあり、家では落ち着いて会話できるのに、施設へ行くと緊張してほとんど話せない子がいた場合、オンラインなら、普段過ごしている自宅から支援者とつながれます。
いつもの机やお気に入りのおもちゃなど、子どもが慣れている環境の中でやり取りを始められることがメリットの一つ。
また、保護者にとっても移動や送迎の負担を抑えやすくなりますし、「療育を受けたい」という気持ちがあっても、通所そのものが壁になっている家庭にとって、オンラインは別の入口になり得ます。
オンライン療育では何をする?
オンラインだからといって、子どもが一人で動画を見るだけではないんです。
支援者と画面越しに会話をしたり、絵やカードを使って質問に答えたり、ゲーム形式の課題に取り組んだりする方法があります。
「今日は学校で何をした?」という質問に答えるところから始まり、相手の話を聞いて質問を返す練習などを行うこともできますし、また、保護者との相談が支援の一部になることもあります。
「朝の支度で毎日止まってしまう」「宿題を始めるまでに時間がかかる」といった家庭での具体的な困りごとを伝えれば、その子の普段の様子を踏まえて関わり方を考える材料になります。
オンラインの最大の特徴は、支援の場と生活の場が近いことなのかもしれません。
オンライン療育が合いやすい子、工夫が必要な子
オンライン療育がすべての子どもに同じように合うわけではありません。
例えば、自宅では安心して人と話せる子なら、画面越しの会話にも取り組みやすい可能性がありますが、一方で、画面を見ること自体が苦手だったり、長時間座っていることが難しかったりする子には工夫が必要です。
「オンラインだからできない」と決める必要もありません。
最初は10分程度の短いやり取りから始め、子どもの反応を見ながら内容や時間を調整する方法もあり、最初から「30分間しっかり受けさせよう」と考えるのではなく、好きなキャラクターを使った会話から始める。画面の前に座れたことや、支援者とのやり取りが続いたことを一つの経験として見る。
こうした小さな積み重ねが、次の支援につながることがあります。
オンライン療育を家庭で活用するときのポイント
オンライン療育を検討するときは、「発達障害だからオンラインが合う」という決め方ではなく、その子がどのような環境なら取り組みやすいかを見ることが大切で、特に確認したいのは、子どもがオンラインでどんな反応をするか。
画面を見ることはできるのか。支援者の声を聞けるのか。質問に答えられるのか。途中で席を離れたとき、どのように対応するのか。
こうした様子を保護者が支援者に伝えることで、次回の内容を調整しやすくなります。
また、オンラインだけに絞る必要もありません。
通所型の支援を利用しながら家庭ではオンラインで相談する、あるいは子どもの状態に応じて利用方法を変えるなど、複数の方法を組み合わせることもできます。
療育を考えるとき、「施設へ通えるかどうか」だけで選択肢を狭める必要はありません。
子どもが安心して取り組める場所はどこなのか。家庭でどんな困りごとが起きているのか。そして、その困りごとに対してどのような支援が受けられるのか。
オンライン療育は、その答えを探すための一つの選択肢となります。