「あすなろ」は「あすなろ」
~ 自分らしさを大切に~
「あすなろ」という木を知っていますか?
漢字では「翌檜」と書きます。見た目は「ひのき(檜)」によく似た木です。
ひのきは香りがよく、大きくて丈夫で腐りにくいという特徴があり、昔から神社やお寺など大切な建物に使われる高級な木材として重宝されてきました。
そんな「ひのき」によく似ている「あすなろ」には、「明日はひのきのようになろう」という思いからその名前がついた、という一説があります。
「今はまだひのきではないけれど、いつか憧れのひのきのように立派になりたい」
——そんな前向きな思いを秘めた木のように感じられますね。
でも、あすなろはどんなに大きく成長しても「ひのき」になることはありません。
あすなろは、どこまでいっても「あすなろ」のままです。そして、あすなろにはひのきとは違う、あすなろならではの力強さや良さがあります。
これは、私たち人間にも同じことが言えるのではないでしょうか。
誰かを見て「あの人みたいになりたい」「もっとできるようになりたい」と思ったり、大人は子どもを見て「〇〇ちゃんはできているのに…」と比べてしまったりすることがあります。
目標を持ったり、素敵な人を見習ったりすることは、成長するための素晴らしい原動力です。
けれど、「自分なりの目標に向かうこと」と「誰かと同じになること」は違います。
得意なことも、少し苦手なことも、感じることも、成長するスピードも、人それぞれ違って当たり前です。
自分のペースで少しずつ伸びていくこと。
自分の心で感じて、歩む道を選んでいくこと。
そして、自分の中にある「良いところ」に気づいていくこと。
ひのきを目指す必要はありません。自分らしい花や枝を伸ばしていくこと。それもまた、素晴らしい成長なのです。