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“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百四十六通目『稽古に対しての態度』

2026.10.06 23:00


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百四十六通目『稽古に対しての態度』


 君はこれまで、誰かに「稽古してもらう」という経験が多くなかったのかもしれません。だから最初は、どういう態度で稽古を受ければいいのかが、わからなくても仕方がありません。

 でも、ひとつだけ知っておいてください。

 「知っている人」から教えてもらえること。「できる人」から教えてもらえること。そして、長い時間をかけて「何かを体得した人」から直接教えてもらえること。

 これは、とても貴重なことなのです。


 君がこれから“アイドル”や“何者か”を目指すのなら、自分一人だけで成長しようとしてはいけません。

 自分一人で考えることも大切です。自分で試行錯誤することも大切です。でも、自分が何年もかけなければ気づけなかったことを、先生のひと言によって一瞬で気づけることがあります。

 何百回やっても直らなかったことが、体得した人から、ほんの少し身体の使い方を教えてもらっただけで、突然できるようになることもあります。

 つまり、自分よりレベルの高い人から「教えてもらう」ということは、成長するための、とても有効な方法なのです。



 さて、「稽古場での態度」についてです。まとめて多くのことを伝えますが、すべてがとても大事なことです。


 まず、稽古場では返事を大きな声で、ハッキリとしてください。

 「はい!」

 それだけでいいのです。

 大きな声で、ハッキリと「はい!」、と。


 そして先生から、「どう思う?」「どうしたい?」「今のはどうだった?」と求められたら、自分の意見や考えをハキハキと答えてください。

 正解でなくても構わないのです。先生が求めているのは「正解ではなく手がかり」なのです。君をもっとよくするための「手がかり」を得たいのです。

 だから、考えているのに、モジモジして言わない。聞こえるか聞こえないかわからない声で答える。誰かが代わりに答えてくれるのを待つ。そんなことではダメです。

 稽古場では、技術だけではなく、「自分の意思を相手に伝えること」も稽古していってください。

 ステージに立ったとき、お客さんは君が自信を持つまで待ってはくれません。だから普段の稽古から、「自分の声で返事をする」「自分の言葉で答える」「自分の考えを表現する」ことを鍛えてください。

 モジモジしない。それも立派なトレーニングです。


 次に、とても大切なことがあります。

 人から何かを「与えられる」ことを期待しないでください。

 先生が優しくしてくれる。誰かが教えてくれる。メンバーが手助けしてくれる。わからなければ誰かが気づいてくれる。

 そうやって待っていてはいけません。自分から獲得しにいってください。


 先生のお話は、ひとつでも多く聞き取ってください。

 先生が他のメンバーに教えているときは、「自分にも役立つことはないか」と聞き耳をたててください。


 わからなければ、自分から質問してください。


 上手な人がいたら、その人を観察してください。


 稽古とは、「先生が君の中に何かを足してくれる時間」ではありません。君自身が、「先生の持っているものをどれだけ自分から取りにいけるかという時間」です。


 さらに覚えておいてください。

 稽古は、稽古場に来てから始まるものではありません。

 たとえば振付の動画があるのなら、事前に見ておく。できるところまで、自分でやってみる。そこで、「ここができない」「この動きがわからない」「ここのカウントが取れない」というところまで自分で見つけておいてください。

 つまり「予習」とは、完璧にできるようにしてくることだけではないのです。「自分は何ができないのか、何がわからないのか」を知って稽古場に来ることが「予習」なのです。

 それだけでも、稽古の密度はまったく違うものになります。

 何をやってくればいいのか自分ではわからないのなら、メンバーを頼って構いません。「次の稽古までに何をやっておけばいい?」「この動画のどこまで覚えておけばいい?」「家では何を練習したらいい?」。

 自分から聞くようにしてください。人を頼ることと、人任せにすることは違います。自分から聞いて、自分から準備する。それならば、どんどん人を頼っていいのです。


 そして先生から何かを教わったら、その日の稽古だけで終わらせないでください。

 先生から、「ここはこうして」と教えてもらった。その場ではできた。「よし、できた」ではダメです。

 そこからが「君の稽古」です。

 家に帰って、「何度も何度も反復する」「身体が忘れないようにする」。そして次の稽古までには、教わったことが「完璧にできる状態にしてくる」。

 これを繰り返してください。

 前回教えたことを次の稽古でも先生がもう一度、最初から教えなければならない。その次の稽古でも、また同じことを教えなければならない。それでは、いつまでたっても次のことを教えてもらえません。

 でも前回教えたことが次の稽古ではできていたら、先生は君にその次のことを教えることができます。

 これが、「成長する人」と「なかなか成長できない人」との差になっていきます。そうして長い時間の中で両者には天と地ほどの差が開いていくのです。


 今日から、今伝えたことをひとつずつチェックしていくようにしてください。すべてが「出来ているな」と自覚出来るようになる頃には、君は格段にレベルアップしているはずです。

                                               以上



「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百四十五通目」は2026年9月30日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百四十七通目」は2026年10月14日の記事