ローカルアイドル界隈が抱える課題①「イベント主催者の憂鬱」
先日、ローカルアイドルイベントの主催者さんと情報交換を兼ねて食事をしました。お話を伺う中でローカルアイドル界隈が抱える課題のひとつが見えてきました。
今、ローカルアイドル界隈では「ライブハウスでのイベント」が苦境に立たされています。
簡単に言うと「集客に苦戦して」いるということです。もちろん屋内イベントがすべて同じ状況というわけではありませんが、傾向としては「屋内から屋外にお客さんが流れている」という現象が起こっています。
背景にあるのはコスト高です。光熱費、人件費、雑費の高騰によって、ライブハウスの維持費が上がっています。これにより会場の使用料が値上がりしています。
ローカルアイドルイベントは、イベンター (イベントを企画・主催・運営する人) が、会場を借りてライブイベントを開催するか、会場が自主開催をする、もしくは両者が共催するケースにわかれます。それぞれに誰が費用を負担し、利益を獲得していくかの違いがあります。
ライブハウスの使用料が軒並み値上がりし、イベンターの負担が増えています。コストは入場料に転嫁されます。最近、「入場料が高くなったなぁ」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
結果、高い入場料を払うくらいなら、入場料の分を物販に使える「屋外無銭イベント」に行こう、というお客さんの流れが生まれることになります。
一方、ステージに立つアイドルとその運営側にも事情があります。
アイドル側としても「屋外」での利点があるのです。閉鎖的なライブハウスとは違って、不特定多数の目にとまる屋外なら新しいファンを作るプロモーション効果が期待できるからです。チラシを配って「今からすぐそこで無料で私たちのライブを観れますよ」というのはたいへん効果的です。
屋外無銭イベントではアイドル側はイベント主催者に「機材使用料」の名目で、イベント参加料を支払います。これが屋外イベント主催者の収入源です。
アイドル側はライブハウスイベントでは不要な支払いを求められることにはなりますが、「入場料となるはずのお金」が「物販に回ってくる」可能性があり、売上が増えることが期待されます。これにより「屋外無銭イベント」に出演を希望するアイドルが増えます。
イベント主催者はイベントを盛り上げるために「集客力があるアイドル」からブッキングをしていくことになります。屋外会場を使用する条件に地域の活性化が求められているからです。
このようにお客さんを集める力があるアイドルが「屋外無銭イベント」への出演を優先する傾向が強まっています。そのため「ライブハウスイベント」はアイドルのブッキングと集客に苦しむことになっているのです。
それにしても深刻です。あるライブハウスが自分の持ち物である会場での主催イベントをやめてしまいました。固定費である人件費や光熱費を維持できなくなったのかもしれないというのは想像に難くありません。
2010年代から身近になったとされるローカルアイドル文化の担い手である「ライブハウス」は厳しい状況にあります。また、その場でイベントを開催してきた主催者にとっても、様々な環境の変化にどこまで対応できるのかが問われる状況となってきているのです。
以上