標準化を進めたい。その技術、どこまで公開しますか?
市場を広げるための標準化と、自社の技術を守り活かすための知財戦略
標準化は、技術や製品の価値を市場に伝える手段です
優れた技術や製品を持っていても、その良さが取引先や市場に十分に伝わらないことがあります。製品の性能を客観的に比較できる基準がない、評価方法が統一されていない、あるいは新しい技術の価値が業界内で十分に理解されていない。こうした場面で、標準化が事業を前に進める手段となることがあります。 標準化は、製品やサービスなどについて、関係者の間で共通の決め事をつくり、普及させる取組です。適切に活用することで、性能や品質の見える化、取引先の拡大、新たな市場の形成などにつながる可能性があります。 経済産業省では、新市場創造型標準化制度や標準化活用支援パートナーシップ制度などを通じて、中堅・中小企業の標準化への取組を支援しています。標準化を検討している企業にとって、こうした公的な相談窓口は有力な選択肢です。
まずは、公的な標準化支援を活用するという選択肢があります
標準化に関する相談先として、例えば次のような制度・窓口があります。
- 新市場創造型標準化制度:既存の業界団体等では対応しにくい技術やサービスなどについて、新たな規格づくりを後押しする制度です。
- 標準化活用支援パートナーシップ制度:自治体、産業振興機関、地域金融機関、大学などのパートナー機関を通じて相談を行い、日本規格協会(JSA)の標準化アドバイザーによる支援につなげる仕組みです。
- 日本規格協会(JSA)の標準化相談・サポート:標準化の可能性や進め方、規格開発などについて相談する際の窓口です。
利用できる支援の内容や条件は、相談内容や制度によって異なります。まずは各制度の公式情報を確認し、自社の課題に合う窓口へ相談することをおすすめします。
ただし、標準化を進める前に考えておきたいことがあります
標準化を検討する際には、「どのような規格をつくるか」「どのように規格開発を進めるか」に加えて、もう一つ考えておきたいことがあります。 それは、標準化によって公開・共有する技術と、自社の競争力として残しておく技術を、どのように分けるかということです。 標準化は、技術の価値を広く認めてもらい、市場を形成するための有力な手段です。一方で、技術の内容をどこまで公開するかによっては、自社独自のノウハウや競争力の源泉に影響することもあります。 もちろん、技術を公開することが常に不利益になるわけではありません。市場を広げるために公開した方がよい技術もあります。大切なのは、公開すること自体を目的にするのでも、すべてを秘密にするのでもなく、事業上の目的に応じて技術ごとに扱い方を考えることです。
例えば、こんな判断が必要になることがあります
- 標準化の対象とする技術は、どこまで明らかにするのか。
- 技術の一部について、特許出願を検討する必要はあるか。
- 製造条件や調整方法など、ノウハウとして非公開にした方がよい情報はないか。
- 営業秘密として管理すべき情報は何か。
- 規格開発や共同活動に参加する際、相手方にどの情報を開示するのか。
- 開示する情報について、秘密保持契約や共同開発契約などで確認すべきことはあるか。
- 標準化の検討を進める一方で、今すぐには出願などの判断をしない技術を、どのように整理・記録しておくか。
これらは、規格開発の進め方とは別に、個々の企業が自社の技術や事業に照らして検討したい事項です。実際に必要となる対応は、技術の内容、公開の予定、事業計画、関係者との契約などによって異なります。
公的支援と、個別の技術に関する検討は、組み合わせることができます
標準化の相談を公的窓口にすることと、自社の技術について特許・ノウハウ・営業秘密・契約などの観点から検討することは、必ずしもどちらか一方を選ぶものではありません。 標準化の専門機関に規格づくりの進め方を相談しながら、自社の技術については、何を公開し、何を自社の強みとして残し、どのような権利や契約で支えるかを別途整理する方法もあります。 すでに公的支援を受けている企業も、最初から検討をやり直す必要はありません。これまでの検討資料を活かし、具体的な技術について未整理の判断事項が残っているかを確認するところから始められます。
共創特許事務所が支援すること
共創特許事務所では、特許出願を目的として技術を見るのではなく、会社の事業にとって、その技術をどのように扱うことが適切かという判断を大切にしています。 例えば、技術の内容や事業上の位置づけを確認したうえで、次のような選択肢を検討します。
- 特許出願を検討する
- ノウハウとして管理する
- 営業秘密として管理する
- 契約によって情報の取扱いや成果の帰属などを整理する
- 標準化や市場形成のために公開・共有する
- 現時点では判断を急がず、必要な技術情報を整理・記録して将来の検討に備える
これらの方法は、互いに排他的とは限りません。技術の一部を公開しながら、別の部分をノウハウとして保持するなど、組み合わせて検討する場合もあります。 弊所の支援は、標準化の専門機関による規格開発支援を置き換えるものではありません。標準化を事業に活かすうえで、自社の技術をどう扱うかについて個別の検討が必要な企業に向けた支援です。
こんな企業におすすめします
- 標準化を検討しているが、自社技術をどこまで公開するか迷っている。
- 標準化と特許出願の関係を整理したい。
- 公開する技術と、ノウハウとして残す技術を分けて考えたい。
- 規格開発や共同活動に伴う技術情報の開示について検討したい。
- 公的支援を受けたが、具体的な技術ごとの取扱方針はまだ整理できていない。
- 自社の技術を事業の強みに活かすため、特許・ノウハウ・営業秘密・契約などを総合的に考えたい。
まずは、現在の検討資料をもとにご相談ください
標準化に関する相談を始める段階でも、すでに公的支援を受けて検討を進めている段階でも、技術の扱い方について疑問が残っている場合は、これまでに作成した資料をもとに、次に検討すべき事項を整理することができます。 知財ビジネス戦略や標準化に関する資料、技術説明資料、社内で整理した技術・知財関連資料などをお持ちでしたら、それらを出発点として、どのような技術上の判断が残っているかを確認します。 標準化を進めること自体が目的なのではなく、標準化を含むさまざまな選択肢を通じて、自社の技術を事業の強みにしていくこと。そのための検討を、共創特許事務所がお手伝いします。
【お問い合わせ】
自社の技術について、標準化・特許・ノウハウ・営業秘密・契約などの観点から整理したいことがありましたら、共創特許事務所までお問い合わせください。
参考情報・公式窓口
制度の内容や相談条件は変更される場合があります。公開時には、以下の公式情報をご確認ください。
経済産業省「新市場創造型標準化制度について」: https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/shinshijo/
経済産業省「標準化活用支援パートナーシップ制度」: https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/partner/
経済産業省「ビジネス活用」: https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/