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ある職人との出会い①

2019.03.23 16:01

以前からこのBlogにも、書きたいと思っていた、

あるひとりの職人との出会い。



建設に携わっていただいた職人さんは皆とても良い方ばかりだった気がしています。


現場には足しげく通い、現場の職人さんとはしっかりと挨拶を交わし、こちらの事を知ってもらうこと、コミュニケーションを取っておくことは当然かと思いますし、

食べ物や飲み物の好みを聞いてはいろいろと差し入れに参りました。(僕がではなく奥さんが。)


去年の11月のはじめ頃から本格的に壁塗りにとりかかりました。


おおよそ大工さん達の仕事が終わり、

天井の色塗り、壁の漆喰塗りは僕たちでやると決めておりました。(塗りの大変さを本当にナメていた)


先輩に塗りに必要な道具を事前に借りておき、

下地のパテ処理も終了。

さあ、明日から塗るぞという

ほんとに前日に

左官職人のYouTubeを夫婦で見て、ふむふむ…とイメトレ。

たまたま観たその

YouTubeの左官職人も左官の世界ではさぞ有名な方なのでしょう。


全く知らない人けど、イメージだけは膨らませて。


初日の夜は経験者である先輩に手ほどきを受け、まずは一面を塗ってみました。

昨日観たYouTubeと自分の体さばきのギャップに驚きを隠せず、

何故こんなに材料がぼとぼと落ちてしまうのか…まともに壁にまでたどり着かない。

今思うと、初日はまともな塗りは出来ませんでした。

材料の、無駄使い…。


3日後くらいにはあまりの規模と自分の仕事の進みの遅さに自分たちでやるという選択にほんとに後悔しました…が


それでもそんな状況から

数名の方々にも貴重な時間をさいて手伝って頂き、11月の終わりころにはやっと2階部分が塗り終えそうだという時に


その職人は現れました


「ごめんくだサーーイ!」


って下で誰かが呼んでます。


2階へ続く階段の壁を塗っていた僕は


特に来訪者のアポも無かったので、仕事を止められることに少し苛立ちつつ、外へでました。そこに居た男性が

その職人さんなのですが、


初見では職人さんであるとわからず、齢60歳前後だろうか?

お世辞にも素敵とは言えない、

少し不潔な男が来たなという印象。


聞けば

この男は左官職人で、うちの壁塗りの依頼は夏ごろから受けていたのに、

待てども待てども、いつからこちらに行けば良いのか工務店からの連絡が無く、痺れを切らせて現場まで自ら足を運ばせたとのこと。


つまり僕たちが

彼の仕事である壁塗りを、取ってしまっていて

その連絡が、うまくいかず

困惑させていたようです。


図面を見ながら、家の周りをみて何やらゴニョゴニョ独り言を言っている。


降りてきた

僕の作業着姿を見て、きょとん。

彼「??       施主さん?」


私「…はい、そうです。」


彼「…そういうことか〜!」


と、とっさに状況を把握していた。