ハワイと沖縄の観光比較論
ハワイに来ています。街を歩いて気付いたことを、同じくビーチリゾートの沖縄との比較から考えてみました。ハワイと沖縄の観光の観点から共通点と相違点をまとめてみました。
↑ ダイヤモンドヘッド山頂からのワイキキビーチ。ホテルが集積しているのがわかる。
【共通点】①旧王国の独特な文化 ②大国の辺境地として統合 ③米軍基地 ④国内旅行が主流(ハワイは米国本土から65%、沖縄は国内旅行が70%)
【相違点】①観光施設がゾーニングされ集積するハワイとスプロール化し点在する沖縄 ②電柱や看板がないハワイと乱立する沖縄 ③長期滞在のハワイと短期滞在の沖縄
日本の観光地も取り入れたほうがいいのは空間の曲線美デザイン。リゾート空間の基本ともいえる①歩道の広さ ②歩道・街路樹や植え込みの曲線・ふくらみ・遊びの空間 ③車道の一方通行 ④建物の色彩規制などの細かい徹底が、オシャレで開放的な空間をつくっている。日本は車優先の直線最短志向&無秩序開発。遊び=無駄だと勘違いする日本人が苦手な「遊び心の徹底」を感じます。遊び=創造なんですけどね。
施設が集積しているので端から端まで徒歩30分程度の歩いて楽しいショートウェイリゾート。観光者が出歩くので施設同士が競合代替関係でなく、共創補完関係にあるなと。
↑ 歩道の広さ、曲線美を活かした街路樹などがリゾート感を演出している。もちろん、電柱・電線・ガードレールはない。
ハワイ州観光局(HTA)によると、観光政策の最も上位にあるミッションが「ハワイアンルネサンス」。もともと独特の言語(ハワイ語)や文化をもったハワイ王国であった歴史をもう一度再興して、アイデンティの醸成を観光政策の支柱としている。観光客数や観光消費額をもとめるのはもちろんだが、そのためにあるのではなく、地域住民にとってハイバリューな観光地を目指すことが何より求められるとしている。この点も日本の観光が学ぶべき点である。
↑ ハワイ王国の祖 カメハメハ大王
沖縄も元々独自の文化をもった琉球王国があった。大国に統合された歴史はハワイとの共通点だ。その意味でも、琉球ルネサンスを観光政策のミッションにおいてはどうであろうか。
(以上)