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著者・アスリート 東谷瞳|障害と生きる日々

24.苦手があるから、人は強くなれる

2026.10.19 22:00

「苦手なことがある」

それは、本当は誰にでもあることなのに、

どこかで「できないこと」として扱われてしまうことがある。

人より時間がかかること。

うまくいかないこと。

何度やってもできないこと。

そうした経験は、ときに自信を失わせる。

できる人と比べてしまったり、

「どうして自分は」と思ってしまうこともある。

Flowerの中でも、

それぞれが抱えている「苦手」について話すことがあった。

障害として見えるものもあれば、

外からは見えにくいものもある。

でも、そのどれもが、その人にとっては確かな現実だった。

そんな中で、ある意見が出た。

「苦手があるからこそ、強くなれるんじゃないか」

最初は、少しきれいごとのようにも聞こえた。

苦手なことは、やっぱりしんどい。

できるなら、なくしたいと思うこともある。

でも、その言葉の意味を考えていくうちに、

少しずつ見え方が変わってきた。

苦手なことがあると、立ち止まる。

どうすればいいのか考える。

工夫する。

誰かに頼ることも覚える。

一度ではうまくいかなくても、

何度も試してみる。

その過程の中で、自然と身についていくものがある。

あきらめずに続ける力。

人に頼る力。

相手の気持ちに気づく力。

それは、「何も困らずにできていたら」、

もしかしたら気づかなかったかもしれない力だ。

もちろん、苦手があること自体が「いいこと」だと言いたいわけではない。

つらいこともあるし、

悔しい思いをすることもある。

でも、その中でどう向き合っていくかによって、

その経験の意味は少し変わってくる。

また、こんな意見もあった。

「苦手があるから、人とつながれる」

自分一人では難しいことがあるから、

誰かに頼る。

そして、誰かの苦手を、今度は自分が支える。

そうやって、自然と関係が生まれていく。

もし、何でも一人でできてしまったら、

そこには生まれなかったつながりかもしれない。

苦手は、壁のように感じることもある。

でも見方を変えれば、

人と人とをつなぐ“入口”にもなる。

強さとは、何でもできることではないのかもしれない。

できないことがあっても、

それと向き合いながら生きていくこと。

その中で、自分なりの方法を見つけていくこと。

それが、本当の意味での強さなのだと思う。

苦手があるから、人は強くなれる。

そう言い切ることは、簡単ではない。

でも少なくとも、

苦手があることで生まれるものが、確かにある。

そのことを、少しだけ信じてみてもいいのかもしれない。