Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

半谷静香、世界選手権の敗戦から3週間で掴んだ金。こだわりは「一本背負いで勝つ」

2026.10.21 00:45

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の視覚障害者柔道女子52kg級(J1)で金メダルを獲得した半谷静香(トヨタループス)が21日、日本代表選手団のメダリスト会見に臨んだ。


2年前のパリパラリンピックで銀メダルを獲得した際、半谷は「メダルの喜びよりも練習の苦しさで涙が出る」と語っていた。今回の準備期間について問われると、9月にジョージアで行われた世界選手権に触れた。


「世界選手権では力を出し切れずに負けてしまった。そこから立て直す3週間だったので、すごく辛い3週間を過ごして試合場に立った。今回は練習してきたことを全て出し切れたことが何よりも嬉しくて、その先に優勝という結果がついてきた。一番好ましい形だった」


パリの時ほどの苦しさだったのかと重ねて問われると、こう答えた。

「試合を迎えるまでは緊張と厳しさの両方があった。でも本番で手応えを掴んで、『これならまだやれる』という自信につながる試合内容だった。帰って練習したいという意欲の方が大きい」


パリでは、磯崎祐子コーチの「こだわれ」という声が励みになったと話していた。今回のこだわりポイントを聞くと、迷いなく2点を挙げた。「2年前のパリとあまり変わらないかもしれないが、一本背負いで勝つことと、姿勢よく立つ、組み勝つことを意識していた」


決勝ではモンゴルの選手に先に「有効」を奪われたが、得意の一本背負いで「技あり」を奪って逆転した。試合直後には「相手を見失うことが一回もなかった」と振り返っていた。ただ、勝ち上がりは決して楽ではなかった。


「一戦一戦どれもすごく緊張したし、試合中にもしかしたらダメかもしれないと一瞬よぎるくらいギリギリだった。2回戦、3回戦はピンチから巻き返して勝っている。それでも相手を見ない組み手がずっとできていたので、チャンスは絶対にやってくると諦めなかった。来たチャンスを逃さず一本背負いにつなげられたことが良かったし、自信になった」


会見では地元・福島県いわき市への思いも語った。ロンドン大会の前には東日本大震災が起き、東京大会の1年前には大雨の増水で実家が浸水被害を受けた。


「自然災害を乗り越えてきた今があって、それが競技人生とリンクする部分もある。いわきに元気をもらい、いわきの人たちと励まし合ってきた競技人生だった。今回のメダルが皆さんにとっても、私にとっても今後の励みになればいい」

Photo by Kohei Maruyama / SportsPressJP