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man maru

タイ① 2か月半の旅の始まり

2019.06.03 11:50

2019年1月から3月半ばまで、冬の寒さから避難するために東南アジアへ。


去年1年間、極度の冷えから始まる体調不良を改善すべく、気功の勉強をし、気功を人に施すことによって自身の身体に気血を巡らせ、わたし自身も根こそぎからの体質改善を図ってきた。


私が気功を実践することによって、確かに自身の体は温かく健やかになった。気功の施術のためサロンへ向かう際、行きの電車では息も絶え絶え歩き、右足と左足を交互に出すことで精いっぱいだったが、一日7~8人に気功をして夜の帰り際にはスキップをして歌いだしそうになるほど、身体は軽くエネルギーが巡るのだった。


10月、秋の頃。もう1段階…今の自分が強くなるために、からだのことを学ぼうと思った。天敵の寒さ回避のため、冬にタイに滞在することは決めていた。せっかく行くなら、そこで何を学ぶ?もう何年もタイに通いつめながら今まで学んでこなかったタイマッサージ、それを今こそ学ぶ時ではないか。どうせ2か月以上タイにいるなら、そうしよう。


けれど、それでも致命的な免疫不全の状態が悪化するように見えた。12月の寒さ、生命維持の危険を感じるまでに弱った。食道炎か、食事はお粥以外食べられなくなった。食事を取り始めた途端、消化活動のためのエネルギーが既に不足しているのか、ただ疲労してあまり食べられなくなった。常に体温が35°台の低体温の自分、さらに体温は低下し、エネルギー消費を節約するために身体は代謝を落とし、冬眠に入る変温動物と化す。ぎりぎり自身の身体を維持するだけの体力が、もう底を尽きかけている。外に出ればすぐにウィルスにやられる。ほとんど外出ができなくなった。体重が過去最低記録を更新し続けた。本来なら動物は冬に脂肪を蓄える時期にも関わらず。



何かがおかしい。

何に気づかなければいけない。

私には、まだ、何か、気づくものがある。



自身の深い深い海の奥底、暗くひんやりとしたその無限に見える闇の中に、

私自身が、鍵をかけて閉じた、大切な宝箱がある。

その中に、私の欠けた健やかさのピースがある。

その鍵を、私は海底のどこかになくした。

血液の流れを。代謝循環を。ホルモンの生産を。


それは、遺伝からくるものなのか、過去の私の悪習慣からくるものなのか、

はたまた過去の心理的トラウマか、カルマか。


身体は未知の海で、私の浅はかな理解では、その精巧で巧みな神秘はとても把握しきれなかった。



とりあえず、タイに行きさえすれば。暖かい国に行きさえすれば。自分は元気になる。

そう日々自分を励ましながら、一日いちにちをなんとか過ごし、年が明けて1月の初め、必死の思いで久しぶりに電車に乗り成田まで向かう。飛行機に乗り、旅慣れたバンコクへ。

到着後、30度超の東南アジアのねっとりとした暑さに、硬直しきった体が緩む。身体は楽で、嬉しさでその日は最高に体が自然に動くことの解放感と喜びではち切れそうになった。これから始まる旅に胸躍らせて広いベッドで体を伸ばしてぐっすりと眠り、開放的な夢を見た。


最初の目的地はバンコクからバスで3時間ほどの瞑想修行場「ウィリヤダンマ・アシュラム」。

https://uramasafaa.wixsite.com/viriyadharma/home

10日間をそのアシュラムで過ごす。

……


手動瞑想を学ぶ予定だったが、着いた途端に体調が絶不調になり、ほぼ一週間寝たきりの状態になった。二日目の昼食で食事係のおばさんが私のアレルギーの大量のキノコ料理を用意してくれ、無碍に断ることもできず「久しぶりだし、まぁいいか」と食べたのが間違いだったらしい。食道炎か胃腸炎か、腫れとむかつきで苦しく、直後は夜も寝られず一日中ふらついて寝たきりになった。

必至で、朝4時半と夕刻6時からの読経だけは出席した。そこだけは守るように、と自分で自分に約束をした。それ以外は、ひたすら自分にあてがわれた修行者用の小屋で、横になっていた。まさか、タイに来てここまで体調が悪化するとは。こんなはずではなかった。焦りと不安に駆られながらも、症状を抑えるためのハーブ(ホーリーバジル、ミント類)は、ありがたいことに広大な敷地内の炊事場近辺にはいくらでも植えられてあり、それを口にすると数日かけて少しずつむかつきが収まってきた。

やっと、暖かくからだが休める国にやってきたので、それまでに日本で無意識下で押し込められ出てこれなかった症状が、表出されるようになったのかもしれない。


ほとんどの時間を寝て過ごすことになったが、読経のためにサーラ―(修行場)へ移動する際外に出て、毎日、満点の星空と、昇ってくる朝陽を見た。



圧倒的な自然に包まれて、毎日広大な土地で敷地内で育てられた有機野菜の数々を頂き、「どうしたの」と過度に心配されることもなく、心地良い距離感で放っておかれ、ひたすら自然の中でやるべきこともなく、対峙するは、何者でもないわたし。食事の量は減り、言葉を交わすことが少なくなり、行為は少なくなる。意識のトレーニングを続ける。


わたしがどうであれ、太陽は毎日変わらず、一瞬一瞬変わりながら、昇ってくれる。


これが自然の摂理、ということか。

あるがまま、ということか。


仏法を勉強し瞑想を深めたいと思っていたが、結局ふたを開けてみると「できない自分」、身体の不調和感に意識が囚われ、その意識から更なる幻想の思考に発展する意識の問答。それでも、そのような自分がありのままであると、観て気づいていくというプロセスを続けた。


一週間いる間に、起き上がれるようになった。


最終日の前日、明日こそは最後のチャンス、托鉢に行きたいと願った。けれどその日の夜はやはり眠れず、明け方にはふらふらになりそうだった。途中で歩けなくなったら引き返してもいい。誘って下さる日本人の修行僧の方に相談しつつ、からだの痛みに目を向けず、今ここに留まろうとした。ようやく、托鉢に行けた。


身体の限界を超え、自身が作った意識の限界を超え。

今ここ、に戻る。


最終日にはアシュラムに住む僧侶の方や日本人の先生ともやり取りを通して学び、訪れる前は予想していなかった、素晴らしいアシュラムの滞在になった。

感謝と充足感で一杯になりながら、次の目的地へ移動するため、バンコク行きのバスに乗る。

そのタイミングで、今回の旅を応援してくれた人からメッセージが届く。

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愛ちゃん


この旅の本当の目的は

REBORNです。

愛ちゃんは、生まれ変わります。

新しく再生するのです。

愛ちゃんを観ると、

エネルギーが滞っていて、体の隅々まで命のエネルギーが行き渡っていない気がして・・・

体のどこかでダムのように堰き止められていて、せっかく高まっているエネルギーが巡っていません。

それならば、いっそのこと、古い体は脱ぎ捨てて、新しく生まれ変わりましょう。


では、どうやって、そんな事が出来るのか?


それは、2つの事を履行すればできます。

愛ちゃんはいま、意識エネルギーが高まっているので、REBORNできるのです。

では、ひとつ目を実践しましょう。

愛ちゃん、

自分を愛してください。

全身全霊で、自分を愛してください。

お母さんが、愛ちゃんを愛するように、

自分を愛してください

お父さんが、愛ちゃんを愛するように、

自分を愛してください


弱い自分を愛してください

駄目な自分を愛してください

意地悪な自分を愛してください

愛ちゃんが、人を愛するように、自分を愛してください

愛ちゃんは、この宇宙で唯一無二の存在です

自分を計り知れない愛の力で抱きしめ、包んでください


もうひとつは、感謝です。

この世界の森羅万象全てに、ありがとうを言ってください。

路傍の小石にも、ありがとうを言ってください

髪をなびかす風にも、ありがとうを言ってください

小さなカエルにも

蟻にも、蚊にも、

ありがとうを言ってください

この世界に触れるもの全てに、この世界で触れられないものにも

ありがとうを言ってください

そうすれば、愛ちゃんは生まれ変わります。

新しく愛ちゃんが誕生します。

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涙が止まらず、バスで横に座っている人の目も気にせず、これほどにないほど、号泣する。


ああ、全て見透かされていた。アシュラムでは寝たきりになり、自分のTシャツを洗っても絞る力もなく、とてもじゃないがマッサージを学んで人の体を押すなんてことをできる自分ではなかった。予約していたマッサージスクールはキャンセルした。この一年、私を側で見て、私の状態を私以上に知った人からの温かいメッセージだった。こころの琴線に触れて、涙が止まらなかった。


意識が変わるとはこのこと。路傍の小石にも、髪をなびかせる風にも、蚊にも、ありがとう、を言う? バスの中から目に映るもの、映らないものも、景色が一気に、輝きだす。涙で全てがベールに包まれる。


私の体力HPはマイナス50からアシュラムでの滞在を通してゼロに戻り、これから自分はどこへ向かうのか、予定はまっさらになった。しかし自分が意図せずとも向こうから必要なことがやってくる。バンコクのドンムアン空港から次の目的地、チェンマイに向けて飛行機に乗る。次の自分が待っている。