PSOとの出会い
あたしとPSOとの出会いは、いつだっただろうと、思い返してみる。
尋ねられることがしばしばあって、断片的には言葉にしてきたけれど、まとめて書いたことはない気がしたから、書いてみようと思い立った。
そもそもあたしはメガドライブユーザーでもあったから、ファンタシースターシリーズには少なからず思い入れがあった。
Iはやる機会がなかったけれど、IIからIVまでは最後まで遊んだ。
特にIIとIII(特に特にIII)は大好きで、何度もやり込んでいた。スライサー系の武器が大好き。
DC版。
試用版のPSOを何故か持っていたにもかかわらず、それは封をきらないままだった。
他のゲームが好きだったのもあったし、オンラインゲームというものに全然興味がわかなかったのもあって。
知人がDCのPSOにとことんハマっていて、その画面を一度だけ見せて貰ったことがあった。
…やっぱり想像通り、あまりにつまらなさそーなゲームだと、本当に思った(笑)
GC版は何故か買ってしまった。
どうして買ったのかを、何故か覚えていない。単に暇だったからかもしれない。
最初に育てたのは、フォーマーだった。
単純に見た目で選んだ。上級者用と書いてあるのにかなり引きつつも。
実際かなり苦労していたような気がする。
オフラインのノーマルをクリアして、レベル40になって初めてオンラインでのプレイをやってみた。
慣れていないと言って乱入したら本当に慣れていないので、FOだったら補助ぐらいかけろと言われて追い出された。
いやまあ、その通りなので何も言えないけれど、乱入というものをずっと好まなかったのは、この経験のせいかもしれない。すもぐりで乱入して遊んだ経験は、数えるほどしかなかったりする。
それまでの知り合いにも誰にも何も言わなかったから、オン初めてしばらくは、本当になにも知らないままに潜ってた。
乱入先で知り合ったおなじフォーマーの人に、すごく世話になってた。
でも当時は夜間までゲーセンの店員をしていたからなかなかオンする機会も少なくて。オフでちまちまとレベルを上げていた。
それまでのネットの知り合いでPSOやっている人達にオンしていることを言ってオンの中で初めて会ったのが、その一ヶ月後。まだレベルが70程度で、アルティメットに行くために微妙にオフでレベル上げしてたなあ。
それまでの知り合いの皆は、DCからPSOをプレイしていたからもう既にすごくレベルが高くて、もう色々なレアアイテムを持っていて一緒してすごくビックリした記憶がある。
知り合いたちはDCでは集まって、チャレンジやっていたらしくGCでもやろうということになったのだけれど、GCに来た面子が少なかったため、あたしがその面子のひとりに加わることになった。
週に一度、2時間ぐらい。予定がまずいならお流れ。そんなふうにして、あたしのチャレンジは始まった。
前述の通り、すもぐりで乱入をしきらなかったあたしはほとんどオフラインで細々とPSOをやっていた。地元の友達もやっていたから、PSOはオフラインマルチで遊ぶことが多かった。オンするのはほとんどそのチャレの日だけだった。PSO自体、あまり熱心にプレイしていなかった気がする。
…正直、週に一度のそのチャレンジはあたしにとってあまり好ましいものではなかった。
そもそも、すもぐりすらろくにやっていない人間がチャレンジなんてできるはずもなく。けれど他の3人はDCからしこたまPSOやらチャレンジをやっているわけで。
一緒に遊べるという楽しさよりも、訳わからない空間で失敗することが、嫌で嫌でたまらなかった。そんな記憶しかない。
でも、自分からやめると言うことが出来なかった。でも、自分からやろうという気もしていなかった。義理と意地がないまぜになった微妙なバランスでそこに居た。
アナログモデム接続でやっていたPSOを、ISDN接続に出来たのが2004年の春頃。時間を気にせずにオンできるようになってやっと、チャレンジというものがどういうものかというのがわかり始めてきた。
けれどもやっとあたしがチャレンジの面白さがわかり始めたその頃には身内のチャレ自体がマンネリ化していた。
『チャレロビに行けばいい』そう言われた。
けれども、乱入経験がほぼ無い自分にはとても勇気が無かった。勇気を持つだけの理由も、チャレに対して無かった。
自分が最初からもっとチャレに対して意欲的に取り組んでいれば、身内だって、もっと色々と教えてくれたに違いない。
ずっとずっとあたしが上達するのを根気良く待っていてくれたに違いない。
でも、遅かった。
あたしがやる気をもち始めたときには既に身内の全体的な雰囲気はもう、あたしを見限っていた。
それでも一応身内のチャレは細々と続いていた。
”徐々にオンラインの世界に自分が居ることが、いつの間にか自然なことになって。その中で考えずに手を動かせるようになって初めて、周りの人達の動きが見えてきて。
そして…いつも一番先頭を駆けているひとの凄さが、言葉や知識や結果としての「すごい」ではなく初めて自分の実感覚として突き刺さったんだ。 ”
「このひとと、同じ場所から、同じ景色が見たい。」
たったひとつの、小さな覚悟。
それがやっとあたしを、チャレロビへと向かわせた。
…あれから2年以上過ぎて。
相変わらずチャレンジをうんうん悶えながらやっている自分。
はたしてあたしは、あのときのあのひとと、同じ景色を見ているだろうか―――