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Lawyer Takahiro Kitagawa

JASRAC

2019.03.27 01:34

【ざっくり説明すると…】


→有名音楽アーティストの楽曲を無断で演奏しちゃダメ!


→演奏する場合には客からお金をもらっちゃダメ!


→お金をもらう場合にはJASRACにOKをもらってね!



前回の続きです。



前回は、

スマホ画像をダウンロードする際の

著作権について

解説させていただきました。


今回は、Twitterのご質問内容からは

少しズレますが、

「どういうケースのときに

著作権の侵害になるのか、ならないのか」

について

わかりやすい言葉で

噛み砕いて説明したいと思います。




さて、

前回も説明した著作権というのは

“著作物に発生する権利”のことです

「著作物」というのは

簡単に言えば

絵や映像や音楽などの「作品」だと思ってください

(著作権の詳しい説明はコチラ)。


なので、たとえば

有名音楽アーティストが作った“楽曲”の著作権は

アーティストが持っているということになります。



“楽曲”の著作権ですが

具体的には

(1)同じ楽曲をコピーする権利

(2)楽曲を演奏する権利

(3)楽曲にアレンジを加える権利

などがあります。


ということは、

その有名音楽アーティストが作った“楽曲”を

演奏するためには、

基本的には

その有名音楽アーティストに

OKをもらわないといけないんです

無断で演奏したら

著作権法違反になってしまいます。




「えっ?そうなの?

ストリートミュージシャンの友達、

まだオリジナル曲を作ってないから

カバー曲ばっかり歌ってるよ?

アレってアウトなんじゃないの?」



「えっ?今度イベントで

あの曲を使ってダンスを披露するんだけど

お客さんから

お金もらっちゃって大丈夫なのかな?」



「えっ?ウチの娘、歌が上手いから

あの曲を歌ってる映像を

YouTubeで公開しちゃってる…

ウチの娘、逮捕されちゃうのかしらっ?」




よくよく考えてみると

このようなケース、多いですよね。


他人の楽曲を勝手に使ったり、

演奏したりすることが

著作権侵害になるわけですから、

路上ライブだったりイベントだったりで

有名音楽アーティストの楽曲、

直接OKをもらっていないのであれば

マズイですよね。。。笑



さて、どういう場合が

著作権法違反でアウトになってしまい、

どういう場合がセーフなんでしょうか。




著作権法では例外的に、

有名音楽アーティストにOKをもらわなくても

大丈夫なケースを決めています。


それが、著作権法38条に書いてある

“お金儲けを目的としない演奏”の場合です。



つまり、

お金儲けを目的とせず

お客さんから料金をもらわない場合であれば

有名音楽アーティストに無断で

その楽曲を演奏することが許されています。


ですので、ストリートミュージシャンが

路上ライブでカバー曲を演奏する場合、

お金をもらっていないのであれば

許されるんですね。


ということは、たとえば

「チップをお願いします!」

みたいな感じで

お客さんに投げ銭を要求してしまうと、

お金儲け目的と判断される可能性があり

アウトになりやすくなってしまいます

注意してくださいね。




では、たとえばライブハウスを借りて

お客さんからお金を取って

有名音楽アーティストの楽曲を

歌ったり踊ったりするのは

どうなんでしょうか。


お客さんからお金をもらっちゃってますので

有名音楽アーティストからOKをもらわないと

著作権侵害になっちゃいますよね。



このような場合、実は

あらかじめライブハウス運営者が事前に

有名音楽アーティストにOKをもらっているんです。


正確にいうと、

日本にあるたくさんの楽曲の著作権を

日本音楽著作権協会、

通称「JASRAC(ジャスラック)」という機関が

全部まとめて管理しているんです。

(Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishersの略です)。


たくさんの有名音楽アーティストが、

自分が作ったたくさんの楽曲の著作権の管理を

JASRACに代わりにお願いしているイメージです。


楽曲がたくさんありすぎるので

ひとつの機関に

まとめて管理してもらったほうがラクですからね。



このJASRACに対して

ライブハウス運営者のほうから

有名音楽アーティストの楽曲使用料を

支払っているんです

ですので、ライブハウスで

歌ったり踊ったりしてイベントをする人たちは

著作権のことを気にしないで

パフォーマンスができるんですね。


ですので、たまに

「カバー曲演奏禁止!」としている

イベント会場や

ライブハウスがあったりしますが

それはおそらく、

JASRACと契約をしていないはずです。



話をまとめると、

有名音楽アーティストの楽曲を使ったり

演奏してもOKなのは

①お金儲けを目的としない場合

または

②JASRACからOKをもらっている場合

だと思ってください。




ちなみに余談ですが

YouTubeもJASRACと契約をしています。


ですが、あくまでその契約の内容は

“YouTube利用者は

歌詞をメロディーを自由に使ってOK”

という範囲にとどまります。


つまり、

“楽曲そのもの”をアップロードするのは

認められていません。


なので、いわゆる

“歌ってみた”、“踊ってみた”動画を

アップロードするのは大丈夫なんですが、

楽曲そのものが動画で流れているとアウトです

YouTube動画が消されてしまいます。


ですので、

小さいお子さんがカラオケで歌う姿を

YouTubeで公開することは

現時点ではまったく問題ありません☆


反対に、たとえば

結婚式披露宴の映像を

YouTubeにアップロードしたとき、

入場曲BGMに

安室ちゃんや西野カナさんの楽曲そのものが

そのまんま流れていると、

数日後、

動画が削除されていると思います。笑




著作権って難しいですよね

どこまでセーフで

どこからがアウトなのかは

わかりにくいところですので

困ったら、

迷わず専門家に相談することを

オススメいたします

(拙Twitterにご質問いただければ

可能な限りお答えいたします!)。




なるべく難しい言葉を

使わないようにと心掛けるがあまり

逆にわかりにくくなって

しまったかもしれません。


また

専門家の方、

法律の勉強をされている方にとっては

あまりに稚拙で言葉足らずで

説明不足であることも

重々承知しております。


ただ、このブログのコンセプトは

まったく法律を知らない方にとって

少しでも興味を持っていただく

きっかけになればと思い

始めたものですので

どうかご容赦いただけばと思います。