京都庭園散歩 真如堂(2018年11月)
場 所:京都市左京区浄土寺真如町82
拝 観:無休(行事がある時は休館)
拝観料:境内自由、本堂は500円
11月1日から12月2日の特別拝観時は1000円
3月1日~3月31日の涅槃図公開時は1000円(あられ付き)
拝観時間:9:00~16:00(15:45受付終了)
正式名称は真正極楽寺(しんせいごくらくじ)、山号は鈴聲山(れいしょうざん)、天台宗の寺院。本尊は阿弥陀如来。
永観2年(984年)に、比叡山の戒算(かいさん)上人が、延暦寺常行堂・本尊の阿弥陀如来を、現在の地近くの神楽岡東にあった東三条院詮子の離宮に安置したのが始まりとされています。
本尊・阿弥陀如来は応仁2年(1468年)応仁の乱の勃発により、比叡山黒谷青龍寺に移転。その後、種々の事情により移転を繰り返すが、元禄6年(1693年)に東山天皇の勅により現在の地に戻る。この阿弥陀如来は慈覚大師円仁の作で、次のような伝承から「頷きの阿弥陀」とも呼ばれています。
大師が完成間近に、「比叡山の修行僧のための本尊になりたまえ」と言って、眉間に白毫(びゃくごう)を入れようとすると、阿弥陀様は首を振って拒否されました。「では、都に下って、一切衆生をお救い下さい。特に女人等を救いたまえ」と言うと、阿弥陀様は三度頷かれたという。
境内には、本堂・総門・元三大師堂・鐘楼堂・三重塔なとの諸堂が建ち並んでいます。
庭園は枯山水の「涅槃の庭」と「随縁の庭」の2つがあります。
西側の総門(赤門)(元禄8年(1695年)に建立)を潜って境内に。
真直ぐ進むと右手に三重塔があります。文化14年(1817年)の再建で、高さ約30m、本瓦葺。
更に進むと本堂前に至ります。本堂は、享保2年(1717年)の再建で、7間4面の総欅、入母屋造の本瓦葺(重要文化財)。
本堂の内を参拝した後本堂の外側の廊下を渡って書院に繋がる回廊へ。
回廊を渡って奥の書院へ。
回廊から東側を見た景色。左手奥は薬師堂で、昭和41年に東山五条・金光院より移転。
書院に入る右手前にある路地。
書院に入って南側の庭。
石燈籠は「燈明寺石燈籠」と呼ばれ、鎌倉時代の作で元は山城国(京都府相楽郡加茂町)の燈明寺にあったもの。新町三井家が入手し邸内に設置していたが、昭和60年に真如堂に寄贈されたものだそうです。
東側の「涅槃の庭」へ。1988年曽根三郎氏によって作庭された枯山水庭園で、大文字山を借景にして、向かって左側を頭にしてお釈迦様が入寂され、その周りを弟子たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子が表現されているそうです。
「涅槃の庭」の北隅にある手水鉢。
書院の西側にある「隨縁の庭」。2010年重森千青氏により、三井家の家紋である四つ目に因んで作庭された枯山水の庭。隨縁とは、事象が縁に因って様々な現れ方をすることを言うのだそうです。
書院北側の坪庭。
書院奥(北側)から西側の真如山荘に至る露地庭。
書院から本堂とを結ぶ回廊を見た景色。
書院から再び回廊を渡って本堂に戻り、順路にそって本堂の縁側を東から南へ回ります。東側には、万霊堂と白壁の宝蔵が見えます。南側から西を望むと三重塔が見えます。
本堂を下りて、境内から本堂東側見た景色。本堂真ん中のガラス戸に庭が写って嵌め込まれた絵画のように見えます。
本堂の裏手(東側)にある万霊堂と白壁の宝蔵。
万霊堂の北側には東参道があり、白川へと続いています。
伽藍図。
2018年11月27日撮影。