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魔除けの木、北方のエンジュ(槐)

2019.03.28 15:09

古くから「延寿」と呼ばれる縁起の良いとされる木で、魔除けとしても使われる銘木「エンジュ(槐)」。

ケヤキやナラなどのように一般によく知られている木材ではありませんが、木目も美しく古来から利用されているエンジュ(槐)の魅力とは何なのでしょう?



エンジュ(槐)とは

中国原産の、マメ科の落葉高木。学名は Sophora japonica。英名は Japanese pagoda tree。高さは10〜20mほどに達します。

夏頃には黄白色の蝶のような形をした小さな花が枝からぶら下がるように咲きます。そして秋頃になり、結実するとさやを作り、中に種を付けます。

この種にはルチンという成分が含まれ、止血や高血圧予防の漢方薬として使われています。



エンジュ(槐)の用途

エンジュはあまり大きな材が得られることが少ないので、古来より床柱や床框など建築装飾材として利用されてきました。また、強く粘りのある特質が曲木などに適しているため、手斧の柄や農具などにも使われてきました。

エンジュの木理の美しさを利用して三味線の胴や楽器を作るのにも使われます。

それと、彫刻などのアートクラフトで使われることも多いようです。

以前拝見したことのあるエンジュの置物は細かな木目がとても綺麗だったのが印象に残っています。


鉄刀木の代用としても用いられるエンジュ。



北海道のエンジュ細工

エンジュ(槐)の産地は北海道、東北が多く、特に北海道産のエンジュを使った木工細工が有名です。

縁起の良い木、魔除けの木として有名なエンジュですので、フクロウの彫刻など色々な置物が作られています。

フクロウも縁起の良い生き物ですね。

エンジュで作ると相乗効果が生まれそうです。



エンジュの美しい木目が活かされた素敵なマグカップ。

使い込むほどに味が出そうです。



エンジュの一枚板を使った壁掛け時計。

また違った表情を見せてくれるエンジュ。




こちらは木製スツール。

エンジュの上品な木目がデザインを際立たせていて素敵ですね。



おわりに

エンジュはその丈夫な性質などから中国では「出世の木」、「長寿の木」として大切に扱われてきました。

日本でも、「縁起の良い木」、「魔除けの木」として尊ばれています。

エンジュの気品のある木目、独特な暗色系の木肌、そして、時間とともに深みを増していく色味、そんなところがこの銘木の魅力なのかもしれません。

丈夫な木ですので、庭木として育ててみても良いかもしれませんね。


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