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和船で花見は四月七日まで|第十五回『お江戸深川さくらまつり』

2019.03.30 09:45

【社会報道】 平成三十一年三月二十七日に東京・門前中町にて第十五回『お江戸深川さくらまつり /深川観光協会』の報道向けに「櫓漕ぎ和船」乗船会が行われた。本年は四月七日まで開催。和船に乗船できるのは水・土・日曜。和船着き場は黒船橋から入る。安全の為、ライフジャケット着用する。


和船が周遊する黒船橋から巴橋の三百㍍間には樹齢三十年の桜が二百本。引き潮のタイミングで乗船できると桜の真下を通れる。乗船時に「和船友の会」所属の船頭が桜の見所スポット等を解説する。檜等の素材で作られた和船は専門的に造船している所が無く、希少だ。また、船頭として活動するには和船友の会が定めた試験を合格しなければならない。報道現在で最年少の船頭合格者は小学生。二十代の女性も船頭として活躍していた。


 取材時の桜は五分咲き。週末以降が満開と予想される。船頭曰く、「川の上で桜が舞ったり、水面に散りばめられているのも綺麗だよ。」と話す。和船は通常のモーター付ボートよりも水面に近い。そして、人力で柔らかく漕ぐ事で風や川、小鳥等の自然の音を感じ取る事ができる。周囲の土手からの車の騒音等も、ほとんど感じられない程に静かであった。モーターのボートではこうはいかない。無駄な音が無い静寂な花見を体感できる。正午頃には「新内流し」という三味線の演奏を楽しめるタイミングもある。


地元からの協力で成り立つ、この祭り。提灯の数は去年より六十個増え、四百八十個に。深川観光協会の会長は「町全体として賑わってきているので桜も喜んでいる。一気に広まらず、少しずつ広がりをみせているのが嬉しく思う。」と話した。


和船は全六隻。四人から十人乗り程度と大きさの異なる船を用意。当日の受付けは午前九時半から十四時半まで。一日に六隻で最大八百人乗せた事もあるという。ピーク時には二、三時間待つ事も。期間中では総勢二千人を超える花見客が和船から春を愉しむ。十七時以降は夜桜が楽しめるライトアップもある。海外からも穴場的観光スポットとして注目を集めつつある和船。優雅で風情のある娯楽であった。


尚、本年から和船の乗り場から近い場所(真東)の川沿いに「川床」もオープン。こちらでは、深川めしや団子等の軽食と酒を扱う。大きな桜の取り囲む様にテーブルと座布団を用意した。


撮影記事:岡本