美肌の科学
【皮膚の弾力性と見た目の変化】
加齢に伴い皮膚は、紫外線による障害の蓄積や老化等により、その状態が変化する。真皮ではコラーゲン線維等の減少は著しく、皮膚の弾力性の低下を引き起こす。これにより体表面の形状を支えることが困難となり、シワやたるみに繋がる。
また、たるみによって形成されるほうれい線も、皮膚の弾力性が低下することで増加する。このことは「弾力に富んだしっかりした皮膚が肌を支えることで、重力による形状の崩れ(たるみ)を防いでいる」とイメージすると理解しやすい。反対に皮膚の弾力性が低下することで、皮膚は形状を支えられなくなり、たるみが起きる。
シワの定着に関しても同様である。皮膚の弾力性が低下することで定着シワが増加する。このことは「弾力性に富んだ皮膚が表情による変形に対抗して、変形から速やかに回復させることでシワの定着を防いでいる」ととらえると理解が容易である。反対に皮膚の弾力性が低下することで、皮膚は容易に変形し、また変形からの回復が困難となりシワが刻まれる。
弾力性の低下は20代から既に始まっている。このことは、たるみが20代から進行することとよく一致する。以上の関係から、加齢に伴い皮膚の弾力性が低下することでシワ、たるみが増加することがわかる。
【真皮の空洞化現象】
真皮の構造は非常に複雑なため、その構造が加齢でどのように変化するのかは、十分にわかっていなかった。最近では、加齢に伴い真皮の下部(コラーゲンや弾性繊維)が著しく失われ、脂肪細胞に置換されていることが確認できるようになった。この現象を真皮が欠損して空洞ができたように見えることから「真皮空洞化現象」と呼んでいる。
こうした欠損は顔面や体部の皮膚で同様に起きる。また欠損は男女共に加齢に伴い拡大する。コラーゲンや弾性繊維は皮膚に弾力性をもたらすが、脂肪組織の弾力性は非常に低い。そのため空洞化により皮膚の弾力性が低下する。
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