【楽園王】日野はかく語りき
こんにちは、日野あかりです。
春眠暁を覚えず、ですね。風がなければもう暖かな今日この頃。
先日、無事に楽園王「ELECTRIC GARDEN」が終演致しました。
ご来場いただいたお客様、
気にかけていただいた皆様、
出演者、スタッフの皆さん、長堀さん、ありがとうございました。
この作品は、私が生まれる前に楽園王を旗揚げして1年目の長堀さんが描いた作品で
それから今回4回目の再演となりました。
初演には「ツァラトゥストラは何を語ったのか?」という副題がついていたらしい。
作品中に出てくる『ツァラトゥストラはかく語りき』の一節が、なぜか一番はじめに覚えられた台詞でした。しっくりきたのかな。
毎回少し書き直しをして、結末はいつも異なるものにしているとのことなのでぜひ過去のものも観てみたいなー。
ストーリーとしては、
20年前に親友とその恋人を悪意ある事件で亡くした主人公が、5人の若者を殺し取り調べを受ける中で、
同じような悪意のもと殺された魂たち、喪った親友やその恋人(主人公も好きだった)の魂に出会い、、というもの。
そこに砂漠の世界を旅する女と、その世界の人々が関係してくるのですが、説明するのがなかなか難しい…。
私が頂いた役は、主人公が今もなお心を残している美代子という魂でした。
凄惨な殺され方をして20年(時の流れは同じではないと思うけれど)、共に殺された高梨君と他の魂たちと過ごしてきて
主人公の安堂が殺人犯として取り調べを受けている舞台の時間軸で「今」、再会する。
今まで演じてきた役は、比較的物語の色を変える役割が多かったように思うのですが
今回は物語(主人公)を動かしていくような役割で、考えることがまた全然違いました。
安東役を演じる片倉さんと何度かお話しさせていただいて、すごく考えることが多くて、勉強になりました。
特に、台本・脚本というツールに対してどう接していくかということ。
確かに書いてある言葉を言う、というルールのもと演劇はあるわけなんだけど、そこに振り回されるのか、自分が振り回すのかは全く異なる。
今まで多分無意識に、
台本に振り回される期間(台詞を適切なタイミングで出したり、段取りを染み込ませたりする)と、
言葉を自分のものにできて台本を使って自由に振る舞える期間を
稽古を経て体験していて、後者は稽古しながら立ち稽古によって気づきを得たり、何かきっかけがあってそのモードに入れたりしていた。(稽古場でのコミュニケーション、飲み会とかがきっかけになることもある。共演者への未知による不安、遠慮が障害になってる場合もたまにあるから)
ただ今回は、稽古期間中にブランクがあったこともあり、自力で後者の期間に入っておく必要があったのが、今までにきちんと経験してこなかったことでした。
すごくめんどくさい言い方をしているし、そんなのやるのが当たり前だろ!!と怒られそうな気もするのですが。。
でも自分への記録として、残しておきます。
今回のように、語数が多い台詞をたくさん話すときには更に自由になるのは難しいと感じましたが、最終的には片倉さん、國松さんの先輩2人の存在感に安心して、その場に自由に居ることができたように思います。
単純な話、台詞を言おうと考えていると舞台上で身体(もしくはその一部)が硬直して、身体的にも自由じゃなくなってくる感覚があるので、軽やかな身体で舞台に立てたのがすごく自分にとって良かったことでした。
そして、初めてのd-倉庫。なんとなく好きな劇場だなぁ。
そういえば、前回トゥエンティと今回楽園王で、共通して小屋入りしてからの食事をなるべく自炊にしてみました。
新生館シアターもd-倉庫もまわりに飲食店が多くないので。。
ただ、そうすると自分のコンディションがかなり良いことに気がついて、本番前に自分の体が求めてたのは、コンビニで買えるようなアッパー系の食事(味が濃かったり、油が多かったり)よりも、ダウン系の食事だったんだな、という気づき。
本番前でテンションが上がってるのを上手く調整してくれるのかな。
なかなか文章にするのが難しく、このブログを書き始めた日から2週間弱が立ってしまいました。
いろいろ考えてたことが多くて、全然まとまらなかった…。書ききれてる感じもしませんが。。
2018年度という区切りで考えると、なんと6本も公演に関わらせていただきました。
最近、私と同じように社会人として働きながら活動している俳優さんがある一件でフューチャーされていましたが、
働きながら演劇をやるというのは、とても覚悟のいることで、でもその覚悟の分得るものがすごく大きいと感じる一年でした。
だからその俳優さんの選択も、また覚悟の末だと思う。ので、なんだか勝手に共感してしまった。
今年関わった公演のすべてについて、仕事と両立することによって自分が持てる力を高めてもらったような気すらしています。
もっとたくさん、いろんなことができる俳優になりたいと切に思うし、同時に責任ある社会人でいたいとも思うのです。
それは両立可能、というか、ある意味同じことなのかも、と思っている。
少しエモくなってきたので、この辺りで一旦終わりにしようと思います。
最近は告知とまとめしか載せないブログになっていたので、もっと観劇録とか、普段考えていることを出力していきたい。(希望)
ではまた。
ひの