Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

富士の高嶺から見渡せば

女性の人権を蔑ろにする韓国社会

2019.03.31 14:00

<人口「自然減」時代に突入した韓国>

韓国の人口は、ことしピークを迎え、死亡数が出生数を上回る「自然減」の状態に入った。自然減が始まるのは、これまでは2029年ころと見込まれていたのが、10年も前倒しになった。急速な高齢化によって人口に占める65歳以上の高齢者の割合も65年に半数近くの46%に達するという。人口減少の最大の原因は、OECD加盟国のなかで、最も低い水準の0.98という合計特殊出生率にあるのは明らかだ。とにかく韓国の若者たちは、就職も恋愛も、結婚、出産もすべてを諦めた世代といわれる。結婚しても何のメリットもないし、何の魅力も感じないと言い、結婚したがらない女性が韓国にはやたらと多い。韓国の人口1000人あたりの婚姻件数を表す「粗婚姻率」は、去年は5.0で、1970年に統計をとり始めて以来、最も低い数値だった。(KBS World Radio3月21日「日本語去年の婚姻率が過去最低に 婚姻年齢は上昇傾向」

日本の少子高齢化と人口減少も相当深刻だが、韓国はそれを上回る速度で人口の減少が進むことになる。どちらが早く滅亡するか、などと互いに呪っている場合なんだろうか?

<汚れた韓流K-POPの内幕>

実は、そんな韓国で、女性の肉体をビジネスの道具として扱ったり、単に性の遊びの対象として玩具扱いしたりする男社会の実態が、いま改めて問題となっている。

K-POPの人気アイドルグループBIGBANGの元メンバーV.I(ヴィアイ)ことイ・スンヒョンが、自身が設立した会社の投資者に対して性接待をしたり、売春を斡旋したとされる疑惑で警察の取り調べを受けている。

余談だが、警察が捜査に入る前に、イ・スンヒョンは突如、軍に入隊し兵役義務を果たすと宣言したものだから、火に油を注ぐ騒ぎとなった。韓国では、兵役については、男はみな平等に義務を果たすべきだという意識が強く、兵役を免れようとして少しでも狡いことをしたら、総スカンを受ける。軍に入隊すれば捜査は警察の手を離れ、憲兵隊の意向に任せるしかない。彼は兵役を警察の捜査から逃れる手段として使ったのである。

結局は、入隊は3か月延期され捜査は続行されることになり、その後も脱税や不正登記、わいせつな映像を流した疑いなどが次々に浮かび上がっている。その過程で、イ・スンヒョンの交友関係者で歌手のチョン・ジュニョンが、女性との性交渉の場面を隠し撮りした動画をSNSのグループチャットに流したことがわかり、警察に逮捕された。

さらにこのグループチャットには、警察幹部との交際を匂わせるやりとりがあり(チャットでは「警察総長」という単語が使われていたという)、イ・スンヒョンが経営に参加する会員制クラブに警察幹部が出入りしていたなど、警察との癒着も疑われる事態になっている。もし警察幹部の関与が明らかになったら、警察黙認にもとで女性に対する人権侵害があからさまに行われてきたことにならないか?

いまや世界を席巻する勢いのK-POPや韓流だが、その裏の実態はそうとう汚れていることは間違いない。

さらに日本で言えば法務省ナンバー2に当たる元法務部次官の金学義(キム・ハクウィ)氏が建設業者から性接待を受けたとされる疑惑が再び蒸し返され、当時の捜査は不十分だったとして、時効がまもなく成立するという間際で再捜査が指示されている。この疑惑には、当時法務部長官として直接の上司で、のちに首相を務めた黄教安(ファン・ギョアン)氏(現在、保守系最大野党「自由韓国党」代表)が事件を知りながら黙認していた、とする国会の速記録が残っているとして、性接待疑惑は政界にまで波及する、みっともない事態になっている。

文在寅大統領も、警察幹部や政治家など、高位公職者が事件に関与している疑いについては、疑惑を完全に晴らすように徹底捜査を警察・検察に指示している。

中央日報日本語版3月19日「文大統領、社会特権層の犯罪行為、真実究明を」

<現代の性奴隷「性接待」を強いる韓国社会という地獄>

文大統領の指示した徹底捜査の対象に含まれるのが、10年前に性接待を強要されているというメモを残して自殺した女優の故チャン・ジャヨンさんの事件だ。

チャンさんが知人に送った手紙には、所属事務所の社長から性接待、性上納を強いられたというその相手について、「企画会社代表6人、大企業代表そして幹部ら6人、金融会社幹部2人、日刊紙新聞社記者出身、IT○○新聞社代表そして幹部2人、日刊紙新聞社代表2人<○○日報>等、ドラマ外注製作社ディレクター7人、映画など監督8人、専属契約前と契約して所属会社社長に性(上)納は基本だった」と書き、チャンさんから性接待を受けた言論・放送・金融界などの高位要人だけで31人の名前と肩書きを上げている。また、そのほかにも監督・ディレクターらの名前を書いた別のリストがあることも匂わせていた。

以下は、ハンギョレ新聞2011年3月9日の「皆がそろってからだを要求…悪魔たちを懲らしめてやりたい」という記事からの引用である。

< "何人にノリゲ(おもちゃ)にされたかと思うと、すべてが長い長い悪夢であってくれたららと思う。"  2009年、自ら命を絶ったチャン・ジャヨンさん(当時29才)が生前に知人に直筆で書き送った手紙には、チャンさんが芸能界で生き残るために体験しなければならなかったおぞましい瞬間が痛々しく記録されている。ハンギョレ新聞が入手した手紙によれば、チャンさんは「酒の席での接待までは我慢できると思うけれど、皆が揃ってからだを要求してくるので本当に狂ってしまいそうだ」として苦しみを訴えていた。

当時、所属会社の社長が服代をくれたら、酒席での接待を強要されることを意味し、会社の密室で麻薬のようなものを飲まされ、幻覚パーティーまでさせられたほか、死んだ母親の法事の日にも呼ばれて性接待をするという惨い体験も味わったという。「どれほど恐ろしくても、言われるままに酒接待・性上納をするしかなく、苦痛を受ける売春婦のようにすべてが悪夢だった」と書いている。>(引用終わり)

2年に及ぶ性接待は通称“性の館”と呼ばれる事務所3階のベッドルームで行われた。チャンさんと同じ女性タレントやタレントの卵など数人の女性とともに1階で酒席の相手をさせられた後、売春宿のような流れで、政財界の大物やメディア幹部などを相手に性接待させられたという。

知人に宛てた50通230ページに及ぶ手紙には、巨額の違約金を理由に、事務所が強要し続けた性接待の、まさに奴隷と変わらない、地獄のような実態が描かれていた。手紙は、自殺事件の捜査や裁判でも証拠資料として提出されたが、最終的に性接待の実態が認められることはなく、自殺の原因はうつ病と断定された。

しかし、この事件は、その後も二度、三度と蒸し返され、捜査の対象にもなってきた。それも真相の解明にはほど遠く、事件に責任をもつ人々の責任が問われていなかったからだろう。今回、再び真相解明に徹底捜査の指示が出されたのも、「みな殺してやりたい。冥土からでも復讐してやる」とまで記したチャンさんの恨み、怨念の深さのゆえかも知れない、

チャンさんの自殺事件が報じられた当時、韓国社会はこの事件にショックを受け、性接待というような女性を道具として扱う人権侵害に大いに反省したはずだった、のではないのか?しかし、女性をビジネスの道具に使って恥じない性接待という慣習が、いまやその人気で世界を席巻するK-POPのアイドル歌手の間でも、いまだに横行している実態が浮き彫りになっている。

それにしても、今回、KーPOPのタレントが起こした事件は、韓国では連日メディアを騒がしているが、性接待の道具にされた女性や、性交渉の場面を隠し撮りされSNSに流された女性たちの人権侵害の問題について、どこも取り上げていないのはなぜなのか。韓国社会では、女性というものは、そういう対象だと認識されているから、大きな問題になっていないのだろうか。

チャンさんの残した手紙やメモは、いまの韓国社会に存在する「性奴隷」、それを作り出した韓国現代社会の一断面を記述した貴重な記録として永久に保存すべきだと思う。韓国政府はことし、戦時性暴力に関する国際会議の開催を予定しているという。女性の人権侵害は、べつに戦時だけにあるわけではなく、平時にも起きている。韓国が今抱える性奴隷問題、女性に対する深刻な人権侵害問題をぜひ国際的に議論して欲しいものだ。そうでなければ、自分の命をもって告発したチャン・ジャヨンさんの霊魂は浮かばれないではないか。