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共に活動をする中高生への感謝と、新しい時代への想い

2019.03.31 15:00

2019年4月1日


2011年にスタートさせたこの「よのなかの仕組みを楽しく学び合う活動」も、今年度で9年目に突入します。

9年前の自分は、9年後の自分について「当たり前のように学校教員として勤務し、社会科の授業を担当している」ということしか考えていなかったので、今、こういった形で社会(よのなか)を学び合う教育をしていることを不思議に感じたりもします。

9年前同様、今も同じ公文式の教室でスタッフをしていることもあり、こども達の顔ぶれが大きく変わりました。お世話になり始めたころ仲良かった子達は、今年度から大学生になります。

そんな周りの環境と比べると、自分は全く変わらないなと思っていましたが、この9年を改めて振り返ると、それどころじゃない、全く違う自分がここにいることに気づきました。


そもそも、この活動を始めたころ、「社会のリアルを学ばせたい」といっても、「こいつ何言ってんだ」程度の対応しかされませんでした。

「面倒なことはするな」「言いたいことはわかるけど、実現には時間がかかる」「やって何になるんだ」「表現力や思考力が受験にどんな関係があるの?」その他にも嫌味や理解のない声もたくさん聞いてきました。

それが、2016年から18歳選挙が始まり、2020年には大学入試改革が、2022年からは18歳成人がスタートすることが相次いで決まり、社会の中で改めてこの教育の価値が見直される時代になってきたのを実感するにつれ、途中で心を折らず、ずっと継続して取り組んできてよかったなと思っています。


この9年間、たくさんの人にお世話になりました。

大学の時に『暗黒時代』だった自分に、公共哲学という新しい選択肢を与えてくれた恩師は、昨年この世を去りました。

教員時代に悩んでいた自分に、NPOという新しい道を示してくれた恩師は、この夏新たなチャレンジをするために別の道へ歩を進めました。

これまでの自分の活動の羅針盤を一気に失い、特に昨年末は不安を感じることもありましたが、それはただの杞憂でした。

共に「よのなかの仕組みを楽しく学び合い、市民性や主権者意識を育む学び」の効果を信じ、自分と同じ目線でチャレンジを続け、また背中を押してくれる中高生が、今の自分にとってはとても大きな存在です。


僕が感じているのと同じような「嫌味」や「無理解」に対する声に、もしかしたら共に活動をする中高生も直面しているかもしれません。

しかし、「社会の手の届かないところの課題に取り組む」という意味で、社会活動は常にマイノリティだと考えています。

日本では、平成が始まる4年前に『女子差別撤廃条約』を日本が批准し、平成の時代を通して、社会における女性の権利の向上が図られてきました。

今日新たな元号が「令和」になることが決まりましたが、その4年前に「公職選挙法」が改正され、選挙権が18歳になったことを考えると、新たな元号と時代の中で、こども達が自分と社会を肯定的に捉え、答えのない社会に自ら参加し、考え、行動できる社会になる時代を作っていくことが、新たな時代の課題の1つなのではと思っています。

まだまだ、こどもの意見表明権等については課題が多いですが、これからもこの活動を継続しながら、少しでも解決に寄与していければ!


というわけで、仕事始めの最初の日に、改めて、最高の仲間に感謝を。