手づくり石けん、色材の変化
手づくり石けん用の色材としては無機顔料系、化粧品グレイドの色材、植物などの色素などいろいろなものが使われています。
デザイン石けんのレッスンをすると皆さん納得する色生地をつくろうとものすごく悩みながら色の調節をなさっています。
濃い・薄い、もっと鮮やかに、もっと〇〇色っぽく・・・
石けんの生地の色を決めるのを難しくする要因はいくつもあります。
まずは、石けん生地自体が黄色みを帯びていること。
そのために青みピンクはグレイっぽくなりますし、鮮やかなブルーは黄緑色がかってしまいます。
だから気に入った色材を入れても思った通り発色しない・・・これでは色づくりに時間がかかってしまいます。
それにいったん濃くなりすぎた色は薄めることができない。
結果としてトレースが出すぎてデザインが・・・という状況になることも。
次の要因としては、石けん自体も熟成しているうちに白っぽくなってきます。こうなると黄味ペースで調整していた色みがまた変わってきてしまいます。
下の写真を比べてください。もともと鮮やかなブルーを想定していたのですが、左側の写真のように型入れ直後は緑色がかった濁った青色に見えます。数日後、右側の写真のようにブルーが戻ってきています。
もしかすると保温中に予想以上の熱が入っていわゆるジェル化すれば、また発色が変わってしまいます。
石けんの色の変化はこのように複数の要因がからんで起こります。
そのため予測不可能であったり、偶然の産物で素敵な色が出てきたり・・・(^-^;
私は石けんの色は毎回実験だと思って色づくりを楽しむことに力点を置いています。
あれこれあまり悩みすぎず、熟成後の色の変化も楽しんでしまえば一石二鳥です。
一昨年、NHK文化センターで実施した、たくさんの色材を使って発色を確かめるレッスンを完全リニューアルして、5月から開講します。第一回目は赤とピンク、その後どんどんほかの色についても実施しますので、お楽しみに(*^-^*)
入手しやすい手づくり石けん用の色材の解説、材料別に濃淡をつけた色見本も赤・ピンク合わせて10種類ほどつくります。