『はじこい』妄想ストーリー③
2019.04.02 12:05
「お父さん帰ってこないね」
夕食の後、広いリビングで寛ぐ匡平の前に、順子がカフェオレを置いた。
「さっきメールがきてた」
「今夜は遅くなるって」
「そっか」
「春見?どこ座ってんの、こっちきて」
匡平は向かい合わせに座った順子に手を差しのべた。
「う、うん💦」
マグカップ片手に匡平の隣に移動すると、腰に手が触れてグッと引き寄せられた。
「う…密着」
「ん?…いや?」
「ううん…」
「エプロン脱いだの?可愛かったのに…」
「ありがと…」
匡平の長くて細い指が順子の指に絡む。
それは優しく誘っているようで、順子は戸惑いを隠しきれない。
「カ…カフェオレ飲んだら帰ろっかな…レポートまだでしょ?」
「ん?もう済んだよ」
「ホントに?」
「ん、だって春見がうちにいるんだよ。ガンバるでしょ、普通」
「私がゆりゆりのやる気スイッチなの?」
「そうだよ、春見が側にいたら、俺は無敵なんだ」
「無敵…ピンク」
順子がそっと匡平の髪に触れた。
「春見?」
「なぁに?」
「レポート頑張ったからね」
「うん」
「ご褒美ください」
完