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体幹と手

2019.04.05 23:16

昨日は古武術の話に脱線してしまいました。

また古武術をやっている人には、ちょっと疑問に思うことがあったかもわかりません。

しかし、古武術を否定している訳ではありません。

大事なことは、何が自分に合っていて、「今」何が必要なのかをしっかり見極めて欲しいということです。

流行りだからということで鵜呑みにするのではなく、一つ一つをキチンと腑に落として確認して人に伝えて欲しいということです。

だから単なるやり方を伝えるだけではなく、そのやり方の次があるということを伝えていって欲しいのです。


体幹を捻った時、必要のない肩や手の力を感じませんでしたか?

必ず誰でも感じるはずです。

なぜなら、見た目に体幹を捻る程動かすと、肩や手に力が入らないと動かせないからです。

背骨の可動域は極僅かです。

胸だけを捻るなんて本来不可能な動きです。


だから体幹を使うトレーニングと言いますが、体幹だけを使うことは不可能です。

しかし、どんどん力を弱め、捻る角度を少なくしていったらどうでしょうか?


肩に全く力が入らないぐらい力を弱めて捻る。

そうすると全く動かないことに気づきます。

特に胸が硬い人は特に全く動かない。

それが正解です。


動かない動き

これが意識の動きです。

意識は運動しているけど、実際には動いていない。

そんな動きが存在します。


非常に瞑想的です。

瞑想はジッと座って行うのが瞑想ではありません。というかジッと座る瞑想ではわからないことが沢山あります。

実は日常が瞑想なので、動きに注意を向けることこそ最高の瞑想です。

私達は動物なので、動いてこそです。そこで瞑想できなくて何が瞑想か?

と私は思っています。


肩の力を完全に抜いて、胸を捻る。

これができるようになると背骨を直接動かす意識が生まれます。

そうなると自分で凝り固まった背中の筋肉を一瞬で緩めることができます。


体幹の動きというのは、背骨の動きです。

脊椎動物ですから背骨の動きから手足に力を伝えて動くはずです。

つまり手足はおまけです。


体幹の近くにある筋肉を上手く使えなかったら手足の筋肉を使うしかない訳です。だから手足に力が入る訳です。

そうでなくては歩行できません。

手足の筋肉は体幹の筋肉に比べて弱いです。だから疲れがでやすくなります。

筋肉隆々の人であっても手足だけを使っていたら必ず疲れがでてきます。


つまり体幹の動きを手足に伝えてはじめて楽な歩行が完成すると言っても過言ではない訳です。

体幹を捻ろうとして頭が動いてしまったということは、体幹と頭や手足が一つにまとまっているからです。

実はこれが手足に力が入る一番の理由だと考えられます。

そして疲れが早く起こるから怪我をしやすくなります。


体幹に問題のある人が、この動きを手足の力を抜いて行うと、手足の力の行き場がなくなり、最後に残った頭がその代償を行って動かない体幹を動かしていると錯覚させるために動きます。

これがいわゆる代償運動という面白い現象なのです。


明日に続きます。