左肩があがると・・・
左肩があがるというのは、バランスという意味だけではなく、他にも様々な影響があります。
左側には肺と心臓があります。心臓は左にあるというより、動脈血を送り出す為に必要な筋肉量がいる為に、左心室を大きくして、ポンプ作用を高めているからです。
その意味を考えると胸部において左側の方が負荷がかかりやすいという予測がつきます。つまり正常でも右より左の方が胸郭は負荷がかかり膨れやすいということが言えるのではないかと私は考えています。
臨床上、左胸に問題がある人は圧倒的に多いのですが、これは単純に心臓が左側にあるという意味だけでもなさそうです。肺も左は上葉と下葉にわかれているのですが、右は上葉、中葉、下葉という三つにわかれています。つまり心臓があるために(左心室が膨隆している為だと考えられます)肺が狭められているということなんだろうと思います。
これは臓器の密度が高い部分と言えるのではないかと思います。 臓器の密度が高い部分ですから当然何らかの負荷がかかりやすいはずです。右効きの人が多いのは、左の負荷を少なくする為と言えるかもわかりません。
また面白いのは、リンパ管の流れです。 下半身からのリンパ液および左胸部からのリンパ液は胸部にある胸管に流れ込みます。右リンパ本幹は右上肢、右顔面から頚部、右胸部だけなのに対し、左側のリンパ本幹である胸管は、左頭部から頚部、左上肢、左胸部に加え、下半身からのリンパ流も流れています。 つまり、右より左の方がリンパ管の流れという意味で生理的に密になっていると考えられます。
だから左鎖骨下あたりは、臨床上とても重要なポイントということになります。深部と浅部では違いがありますが、リンパ管は静脈の流れと併走する形で存在していますので、静脈血の状態とも一致すると考えられます。
左側には何故こういう密になるところが多いのでしょうか?
私は、太陽が左から登るからと考えられないかなと思っています。
あくまでも推論ですが、太陽は全ての源です。太陽が左からあがることで、木々が太陽の方に向かって花を咲かせるのと同様に心臓や肺も左側においたと考えると納得がいくんです。
あきらかに重要性が右と左で違うように思います。東洋医学でも左側というのは、陽気の強い側と表現されています。東は、南天する太陽に向かって左側です。そこから太陽があがるので陽気が強いと言う考えがある訳です。もし右側(西)から太陽があがったら、心臓の右心室は左心室のように膨隆していた可能性があるのでは?
と考えています。
このような自然現象から東洋医学は生まれた可能性は高いと考えています。現象を追いかけていたら、やっぱり、西洋医学とも類似する機能があったということだろうと思います。そして、東は季節で言えば春で今の時期なんじゃないかと思います。そういうことから五行の色体表のような考え方が人体と対応する形になったとすると、東洋医学と西洋医学の橋渡しになるのではないかと思います。
特に今の時期は、左側に問題がある人が増えると考えると臨床上、左側というのは季節の変化とも関係があることを示せます。 まぁ臨床はそんな単純なものじゃないですけどね。(^^;
この前の話でアレルギーは左側腹部の緊張する人が殆どだと言いましたが、熱性疾患の場合、左側の問題が多くなるのではないかと思います。熱と左側って無関係じゃありませんね。