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未来の子供の産み分け

2019.04.03 02:56

男の子がほしい。

女の子がほしい。


世の中の女性またはそのパートナーは、子供を授かることを心から願っています。


しかし、授からないという現実を突きつけられたり、


または、高齢や病気により子供を産みたくても産めないという方もいます。


この価値観が多様化した現代において、子供がいることがマストではないし、


結婚したからといって、子供を授からなければならないという呪縛にかかることも良くないことです。


医療は、新しい命を望む人が望んだように産むことができ、


新しい命を望まない人が、望まない妊娠、出産をしないように医療という側面から関与しています。


そこで、今回は未来の子供の産み分けについて話をしておこうと思います。


あなたは、体外受精という言葉を知っていますか?


子宮内で卵子と精子が受精することで、受精卵としてそこから細胞がどんどん増殖していき、心臓が作られ、神経系が作られ、人という形を作っていきます。


この過程で、子宮内での受精を試験管内で行い、受精卵を子宮に戻し、着床させる方法になります。


晩婚化が進み、高齢出産が増えていますから、それに伴い女性ホルモンの関係で産みにくくなる方もいます。


また、比較的若い女性でも、女性特有の病気によって産みにくく体になってしまった方もいます。


では、「未来の子供の産み分け」とは一体どういうことか?


今、体外受精の現場では、まず女性の卵子を5つくらい取り出し、精子と受精させるわけですが、


卵子の時点で、その卵子の遺伝子情報から男の子か女の子かを知ることができつつあります。


つまり、将来的に子供の産み分けは、女性の卵子を取り出しておき、子供を産みたいタイミングで男の子か女の子を選び、体外受精させ、子宮に戻すことで可能になるでしょう。


ここには、もちろん倫理的な側面も絡んできますが、


晩婚化による高齢出産リスク、


これは、年齢ともに卵子自体も歳をとっていき、受精しにくいという原因にもなります。


また、若くして子宮疾患にかかり、命のために止むを得ず子宮を摘出しなければならなくなった場合、その方は一生自分の子供を産むことが出来ません。


今後、こうした方々が増えたとしましょう。


未来の妊娠は、20歳前後で女性の卵子を取り出しておき、医療機関に冷凍保存をしておく。


そして、幸運にもその保存していた卵子を使わなくても受精して、その卵子を使わずにとっておく方もいれば、


高齢出産によって受精しにくい卵子になってしまった場合は、それを使う。


また、若くして病気で子宮を摘出した方は、体外受精をして、代理出産を希望していく。


こんな未来が待っているのかもしれません。


人類はこれまで、ほかの生物とは異なる進化を遂げてきました。


特に、子孫を残し、種を残していく過程で、ほかの生物は


「より有能な遺伝子を持つ個体を残す」


ことで、その種を維持してきました。


しかし、私たち人間はそうではありません。


政治家や医者、弁護士、トップアスリート、大学教授などの比較的有能な遺伝子だけでなく、


一般の方も子孫を残すことができます。


つまり、人間の生存は「質より量」というわけです。


表現の仕方は悪いかもしれませんが、優秀な個体だけを残すことが私たち人間の宿命ではありません。


むしろ、「純粋に子供がほしい。」


「子孫を残したい。」


という人たちが、希望して、その通りに子供を産み、育てることができる。


こうした未来になることで、


世の中の幼児虐待や望まない妊娠、出産は圧倒的に減るのです。


何がいいたいかというと、


子供を産み分けることが進んでいくと、


性別に限らず、その卵子、または精子の持つ特異的な遺伝子を残し、


病気を持つ遺伝子は書き換えられるということが行われることになるかもしれません。


そこには、さらに倫理的な側面が関わってきます。


やはり、子供の産み分けというのは、あくまで性別に留めておく、または生命の危機をもたらす遺伝子を書き換えるレベルで倫理的に制限されるべきかもしれません。


これは、今の時点での話。


これが未来になってきた時、ほかの生物のようにより優れた個体を種として残すことが良いという空気感が生まれているなら、人間の命は恐ろしいと感じるのです。


これは、クローンを創り出すことと同じように、多くの問題を生み出すでしょう。


医療が進んだことで、私たちはこれまで叶えられなかったことが叶えられつつあります。


それは大きなメリットを持ちつつも、


非常にデリケートで取り扱いが難しいデメリットも同時にあるということを忘れてはいけないのではないでしょうか。


それではまた。