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Bellydance Najm Fukuoka

CAIRO MIRAGE 2019コンペティション体験

2019.04.04 03:55

偉大なベリーダンサーKatia Eshita主催のベリーダンスフェスティバル『CAIRO MIRAGE BELLYDANCE UNION 』が3月25日〜3月31日までロシア・モスクワで開催されました。


わたしは28日から4日間参加し、ベリーダンス界のレジェンド達のワークショップを受講し、国際コンペティションに出場してきました。



クラシックオリエンタル プロフェッショナル部門。




オリエンタル…しかもクラシック。

フュージョンばかり好き勝手に踊ってきたわたしが…何故かこの部門にエントリーしてしまった謎。



偶然選んだDiva Darina振付のメジャンセ。

アルゼンチンのコンポーザーの曲で、モダンに聞こえる楽曲で振付もモダンな雰囲気なのに…。メジャンセは全てクラシックオリエンタルカテゴリーと知りやや唖然。ビビるわたし。




でも決まったからには踊りきるしかない。




同じカテゴリーには、ウクライナ、中国、台湾、日本から強豪がエントリーしていた。

特にウクライナのダンサーはすごいオーラ。中国、台湾も華やかで堂々たる佇まい。日本のダンサーは清楚で嫋やかだけど自信に満ちてる。プロ部門だから当たり前なんだけど、皆さん輝きと風格、テクニックの安定感がすごかった。



わたしは尋常じゃないくらい緊張して、気持ちを落ち着けるのに半日くらい掛かりました。




コンペは3回目だけど、国内のそれとは全然違う。恐怖感や腹痛、めまい、頭痛。決心がつかず、ふわふわ揺れて収まらない。




やれることはやった。

どう足掻いても、良くも悪くも自分の持ってるものしか出せない。

とにかくつまらない萎縮やミスはしたくない。



落ち着け、深呼吸、身体は温まってるか、筋肉は解れているか、衣装に不備はないか、集中して、チカラを抜いて、、、



時間が徐々に近づいてきて、呼吸が苦しくなる。手足が冷たい。震える。こわい。逃げたい。負けたくない。




一体わたしは何が怖いんだろう。




外国人の前で踊ることが?

失敗することが?

負けることが?



そう。負けたくない気持ち。

わたしは負けず嫌い。

負けるのが、負けた時の自分を受け入れる準備が出来てなくて怖いんだなとここで気付く。




他人と比べても仕方ない。

自分を越えられるかどうかはここに至るまでの自分の練習やどれだけ向き合ってこれたか、それだけなんだ。



結果負けても、それは自分の練習や向き合い方に足りない部分があったという気付きであり、次に繋がるスタートになるはず。



そう思ったら少し落ち着けて、ここに立つまでの色々な事を思い出し、嬉しさや感謝の気持ちが湧いてきた。



大好きなロシアで、

ずっと憧れてたステージで踊れるワクワク感。



ウクライナのダンサーが、一目見て彼女がゴールドメダルを獲得するとわかる演技を終え、次の中国のダンサーも強くてインパクトの強い堂々たる演技をして、次はわたし。やれるだけやろう。深呼吸して舞台に向かった。


最初の連続シェネで足指が摩擦で熱かった。

ベールが衣装のストーンに引っかかりそうになった。大丈夫。

ベールがはためく所、少し早かった。

1番右の審査員が笑顔で頷きながら観てくれてる。

ワルツターンのところ、呼吸出来てる。なんだか幸せな気分かもしれない。

バラディパート、落ち着こう。もっと重く、2回目の繰り返しは楽しそうに。

あぁ…この曲の緩急は自分が今まで体験した感情そのままだなぁ。走って立ち止まって悩んでもがいてやっとここに立てた幸せ。


ラストの高速シェネのパート…あぁ、Saharaが観てくれてる。スターダンサーの彼女に見てもらえ点を付けてもらえるなんて幸せかも。


振りはすっかり身体に馴染んでて、

踊りながら色んな感情が溢れてきました。

緊張はしていたけど頭の中は以外と冷静で、4分間を味わい、心に刻みました。

踊り終わったら拍手を頂いて、ルベランスをして降りたら一気に汗が吹き出し呼吸が早くなりベンチに倒れ込みました。


そのまま自分の後の選手を見ました。台湾と日本のダンサー達。みんな自分らしく、技術が高く安定したダンス。クラシックオリエンタルに相応しい雰囲気でした。



出場者がわたしだけしかいなくて戦えなかったフュージョン プロフェッショナル ソロ部門の分も、結果はどうあれ出し切った。しっかり戦えた気はしました。すごいダンサー達の中で戦えた充実感はありました。




そして結果。4位でした。

わかってはいたけど、悔しい。



無謀なチャレンジで、ダメ元でのエントリーだと重々承知の上だったのにやはり3位以内に入れなかったのは悔しかった。

負けず嫌いの自分の悔しさを、情けなさを、しっかり受け止められなくてかなり辛かったです。




日本人ダンサーには勝てた。

けど、外国人ダンサーには1人も勝てなかった。



挑戦する事に意味があるとはいえ、順位がつくならやはり負けたくないと思ってしまいます。



戦えなかったフュージョンも悔しい。

戦ってチカラ及ばなかったオリエンタルも悔しい。



今回、いろんな意味でコンペティションや自分のチャレンジについて考えさせられました。



戦えないコンペって何?

出場者2人とか3人で戦う部門って何?

テクニック先行で本来の踊りの解釈や意味は歪められてないのか?




今回感じた疑問は、自分がしっかりダンスと向き合い、磨いて、答えを出していくしかないんでしょうね。




何はともあれ、幼児からシルバー世代まで国籍や年齢を超えて、ベリーダンスを愛して踊り続けている皆さんの熱いチャレンジを目の当たりにして今までよりもっとベリーダンスが好きになりました。



フュージョンばかり踊っていたわたしですが、これからはもっと大切に丁寧にオリエンタルに向き合おうと思いました。




偉大なマスターティーチャー、ラキア・ハッサンが言っていた言葉が胸に響きました。

ちいさな仕草、動きの1つ1つが美しくて自然で、内面から溢れ出るように優しく緩やかに繋がってゆく振り。時々見せるチャーミングな表情やハッとする仕草にドキドキし通しでした。



今回ロシアに行かなかったら出会えなかった。気付けなかった。本当に有り難く貴重な経験でした。



悔しい想いも1つの大切なお土産として、次回のチャレンジに活かしたいと思います。

また必ず、ロシアで❣️