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鈴木桂一郎アナウンス事務所

11月4日(日) 『実は、去年の今日、死んでいたかも』

2018.11.04 08:13

去年の今日、私は死にかけた。もし死んでいたら、縁起でもないが、今日は一周忌にあたる。

人間、いつお迎えが来るかわからないものだ。去年11月4日、茶道の茶事の最中に気を失い、意識不明となり、嘔吐して、慈恵医大に救急車で運ばれた。幸い連客の中に、元JALの客室乗務員がいて、吐瀉物で詰まった気道を確保してくれたので、息が出来、事なきを得た。運が悪ければ、窒息死したかもしれない。

生まれて初めて乘った救急車で、慈恵医大に到着すると、最高血圧が68しかなく驚いた。救急医からは、急に血圧が下がったので、気を失ったのだろうと言われた

炭火で暖められた懐石料理の席から、濃茶をいただくために、一旦部屋を出て、屋外にある屋根の付いた待合と呼ばれる場所に座って、濃茶の準備が整うまで、しばらく待つのだが、急に喉が渇き、手洗いの水を飲んだと言うから、もうこの時点でおかしくなりかけていたのだろう。席に戻ると、すぐに後ろ側に倒れたと後から聞いた。そして吐いてしまったのである。2,3分意識を失っていたそうだ。まだ11月初めなので、外は極端に寒い訳ではなかったし、お酒も、薄い盃で、二杯口を付けただけなので酔った訳でもない。これまで人一倍元気に過ごし、筋トレも頑張り、健康に人一倍気を使ってきたので、信じられない事だった。

原因を突き止めるため、東邦医科大学大橋病院で、脳MRI検査、脳波検査、心臓のエコー検査、24時間心電図の検査を行ったが、数字的には問題なく、原因は明らかにならなかった。その後、様々な検査をしたが、結局原因は分からず仕舞だった。

後日、人間ドッグを受け、医者の問診で、先日の意識不明の件を話したら、医者は即座に、虚血性脳症だと言った。虚血性脳症とは、脳の細かい血管の一部分が切れ、再び戻るまでの、何十秒間、意識を失い、すぐに意識が戻る症状があるのだと言われた。大きな血管なら脳卒中になるのだろうが、細かい血管なので、すぐにつながり、元に戻るのだと言う。身体のコンディションが悪い時に、暖かい所から、寒い所に出た瞬間に、良く起こるそうだ。人間ドッグでも、検査の写真や、数値的に自分の身体に異常は見つからなかったので、突然意識不明に陥った原因は、結局分からなかった。

死に損なった前日11月3日は、結婚30年の記念日で、妻とシャンパンを1本開けて、深酔いし、まだ酒が残っている状態で、翌日の茶事に臨み、その場では酒を少し呑んだだけだが、再び酔ってしまって、意識不明になったと思う事にしよう、と考えるしかなかった。先生もその位に考えた方が、いいよとアドバイスしてくれた。

と言う訳で、もしかすると、去年の今日、死んでいたかもしれない。もし死んでいたら、あっけない死に方だっただろう。本当に運よく命を長らえることが出来、感謝の気持ちしかない。死にかけた事で、やりたいと思っている事を、悔いを残さずやろうと言う気持ちが高まり、今年ボディビル大会に出場する事にした。悔いを残して死にたくないと言う気持ちが高まったからの決断だった。

筋トレは、健康を目指すが、高齢での高重量の筋トレは、体への負担が大きい。伊勢コーチの指導に寄り、軽い重量でも、筋肉に効かせることが出来ると言う事が分かり、地道に筋トレに励んで、来年の大会を目指そうと思う。

生まれ変わったと良い方に考えれば、今日は、満一歳の誕生日である。二十歳までは、筋トレを続けたいと欲深く考えている。