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手触りと音だけで - 木村シロー

2019.04.05 09:45

工芸品の仕事をしているとよく聞かれるのですが、「はい、私も作ってます」。

具体的には、漆器の下地を研いでいます。

多くの場合、水でふやかした紙やすりで、塗面の凸凹やゴミぷつを除き、平らにしていきます。 ところで、研ぐと音が聞こえます。
時には小気味好く「シュッシュ」と。または、瞑想的な持続音が「スーっ」と。繰り返し作業をしていると、目をつぶっても、手触りと音だけで仕上げることもできます。


コラム筆者・木村シロー

屋号は上杉商事。伝統に根ざす革新的なものづくりと、音楽による街づくりのプロデューサー。興味の対象は、不正義を取り除く経済学、良い音楽とMMA。

http://www.kamisugicorp.jp/