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青と檸檬

詩集を置いて

2019.04.07 01:46
詩集を置いて


窓の外


天道虫が


ちろちろ歩く



こどもの頃の


薄っぺらの


ぼうけんのしょ


ひと字


よんでは


食べて


ひと字


よんでは


寝て



路地裏のまっくらと


海で見た宇宙人と


木になった爺さんと


しゃべる犬



世界はまだ空の下にあって


掌の中になど収まっていなかった


あの泥まみれの運動靴の


足音が


それこそが



詩集を置いて


窓の外


天道虫が


ちろちろ歩く







飛ぶ