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昭和キッドの記憶のカケラ

文具ギフトを開けた時のワクワク感をもう1度

2019.04.07 08:21

今年ももう4月。

一般的に小学校は

新入学を迎えるシーズンだ。

約54年前になるが

私も小学校入学を控えた時期があった。

新しい世界が広がっているであろう期待と不安で

気持ちはかなり高揚していた記憶がある。


何しろ

身の回り品も新しいものばかりだった。

ランドセルをはじめとして通学用の靴

ハンカチに至るまでほとんどが

ピカピカの新品。


なかでも

お祝いにもらった文具ギフトなどは

一品だけでもうれしいのに

それが

一式まとまってあるなんて

テンションが上がらないわけがない。

箱を開けたら一気に

勉強やる気全開である。

(最初だけだったか?)


このところ

仕事のモチベーションが下降気味

なので

あの時のやる気があればなあ

とも思ったりする。


ここで

当時の文具ギフトをひもといて

もう一度あのワクワク感を味わって

気持ちを切り替えたいところだ。


冒頭の写真は

昭和の文具ギフト3種。

大人になってから

まとめて大人買いして保管していた物だ。


昭和30年代は

文具店や百貨店などで

この手の文具ギフトが

定番の位置づけで品揃えされていた。



順番に見てみよう。

「特選組み合わせ文具」

当時としては

素材的に新しい塩ビ製の手提げ型バックに

収納されている。

文具を出してみようワクワク。

メインは

コーリンの書き方鉛筆と

クツワのセルロイド製の筆箱だ。

鉛筆の箱裏には

鉛筆削器の広告が。

「日本で初めてのAL式シャプナー」とあるが

これはおそらく

中のらせん状の回転刃のことではないか

と思う。


それにしても当時¥850は

かなりいいお値段だ。

昭和30年代半ばのランドセルは

おおむね¥3,000前後

現在は3万円位なので

学童用品は約10倍になっていると見る。

となるとこの鉛筆削器

現在に換算すると1万円弱となりますぞ。


あらためて見ると

機能優先のデザインが

現代でも斬新で魅力的だ。


目の前にオークション画面があって

¥4,000(以下)即決で出品されていたら

入札ボタンをポチっと押してしまうだろう。

文具小物も豊富にセットされている。

右上から時計回りに

・土星型消しゴム

・削り付き定規

・ボンナイフ

・鉛筆キャップ

中央のこけし型鉛筆キャップは

顔が手描きでいい味出してます。

削り付き定規で

鉛筆を削ってみたが

今でも充分に削れる。

サークル状の枠の内側に刃があるので

けがをしにくい構造になっているのだ。


前出のように

鉛筆削り器が高価だったので

なかなか買えず

日常

ボンナイフやこれで鉛筆を削っていた小学生も

多かった。

学習ノートと折り紙も入っていた。

こくごノートは単品では当時¥20。



2つ目のギフトセットは

「おみやげ」

背景に控えめにサンタさんがいるので

クリスマス用の箱を流用したのかと思ったが

よく見ると

お正月の凧も見られるので

どのシーズンでも使えるような汎用的な

ギフトボックスとして準備していたのだろう。

おそらく

店員さんが店内の単品商品を

取り揃えて陳列したり

お客さんの要望で組み合わせたり

セット内容に決まりはなかったのでは

と思われる。

メインは

幌馬車鉛筆と野球柄のセルロイド製筆箱。


かるたも入っていて

品揃え自由度が高い。

タンポポコンパスと定規。


写真だと分かりづらいが

定規に組み込まれた写真は

プロ野球巨人軍の別所毅彦投手。

同投手が巨人で活躍したのは

昭和30年代前半までだった。


このようなものが入っていると

いつの時代の文具ギフトであるかが

目安になるので

記事を書く上で非常に助かる。

文具ギフトには外せない

学習ノートは2冊入り。

学習ノートの裏側は

たいがい

時間割表になっていた。


背景イラストもオシャレでかわいい。

この角の生えた妖精キャラなんかは

文具や雑貨の商品化のデザインとして

今でも充分通用すると思う。

・こけし型消しゴム2種

・東京タワー型鉛筆削り

・鉛筆キャップ3色

3アイテムが塩ビ製ミニバックに入っていた。

顔の部分は木製で手描き。

本物のこけしと変わらない作りだ。

それを円柱型の消しゴムに

差し込んでいる。

かわいいので使いたいけど

こけしの形のまま残しておきたく

なかなか使えないタイプだ。


最後のひと箱は

「(文具ギフト)」

箱には何もタイトルがないので

文具に限らず

汎用的なギフトボックスとして

使われていたものだろう。

ドリームパス(クレヨン)と

鉛筆がメイン。

当時

クレヨンを手にして

色はたくさんの種類があることに気付いた。

テンプレート付き定規

タンポポコンパス、ボンナイフ

そしてルーペ付き鉛筆キャップ2色入り。

必需品の学習ノート2冊。

小学1年生のさんすうは

まず1から10までの数を

正しく覚えることから始まる。


でも

10円がどれ位の価値があるかは

それより前から自然と学習していたような

気がしたが・・・

やはり貧乏だったからか。



ギフト内容は以上である。


久々に文具ギフトを開けてみて

当時のように

ワクワク感や意欲が増したかと言えば

さほど実感がなかった。

昔のものを見たりして振り返り

生き生きとした自分を取り戻すなんて

そんな簡単にはいかないかなとは

なんとなく予測はしていたが。


ただ

単純に懐かしい。

乾燥した肌に浸透力の高いクリームを塗るように

「懐かしい」の成分が

ゆっくりと心にしみて

少しでも癒してくれればよれでよしとしたい。

文具も懐かしかったのだが

それらを取り出した後に

目に止まったものがあった。

箱の底に敷きつめられた緩衝材だ。


経年でだいぶ色あせてしまっているが

きれいな部分を選んで

つまみだしてみた。

当時何て呼ばれていたかは不明だが

調べてみると

現在ではフィルムパッキンと言うらしい。


この頃は貧しい環境につき

あるものはすべて遊びに活用した。

このタイプの緩衝材は

スパイごっこの変装用のヒゲなどにして遊んだのだ。

断片的ではあるが当時の風景が回想できて

急に懐かしくなった。

意外なところで心を揺さぶられた。

うれしい

に程近い懐かしさだ。


当時を思い出して

何十年ぶりか自分の顔につけて

オチャラケてみようかとも思ったが

そんな時に限って家族に見つかり

「そんな暇があったら・・・※×△◎!!!」

と言われる予感がしたので

こっそりと

アトムのお面に託して

再現してみた。