そもそもクラフトビールって何?
「クラフトビールって何?」
と聞かれると明確にはわかりません
と答えるほかありません。
どこどこのホップを使用するとか、
あの場所で作るからクラフトビールなんです
という定義がそもそもないのです。
ネットで調べても
それぞれの意見はあるものの
やはり定義がないので、
各々の解釈ということになっています。
しかしBAR333で、
クラフトビールを売る者として
クラフトビールって何?
と聞かれた時
他人の意見をそのまま横流しするのでは
あまりに情けないので、
自分なりの解釈を
実はずっと
ぼんやり考えていました。
まずネットでの解釈の潮流は
こんな感じです。
1994年の酒税法改正により
小さなところでもビールをつくれる様になった
これが 地ビールになります。
町おこしに皆が地ビール作ります
我こそはと奮起します
その結果、中にはお世辞にも美味しいと
言えないものも出てきて、
やがてブームとして終わります。
それから しばらくの時を経て
アメリカ西海岸で派生した
強烈な個性をもつ小規模製造ビールの波が
日本にも届きます。
それに刺激を受け
今までの地ビールの地域性プラス
強い個性といった価値を加えたものが
クラフトビール。
という解釈です。
とても丁寧でよく解ります。
自分も今までお客さんに
なんとなくこの様な説明をしてきました。
しかし、何かが足りない…
なにか、もっと こう
骨太なバックボーンが
あるような気がしてなりませんでした。
で、ようやく自分なりの解釈を言葉として
紡ぐことができました
それは
「クラフトビールとは頑固オヤジがつくって
しまったビール」です。
何のことかピンとこないと思います
当然です。
しかしながら、日本には四代ビールメーカーが
あります。
それらは安定した味、品質、供給どれをとっても文句のつけようがありません。
ただ、どこかに、何か物足りない
俺が(私が)飲みたいビールは
もう少しこんな感じなんだ…
しかし世界中探しても、それは無い。
仕方ねぇ!
ここはヒトツ俺が最高の一杯を
造ってやるか!!
こんな自分の思考や嗜好を形にしてしまう
屈強なオヤジ(女性)がきっと、
一切の妥協をせずつくってしまったのがクラフトビールだと思います。
小規模製造だからコストはかかる
売り値も当然 高くなる。
どこでも手に入るわけでもない。
利益はあるのか?
でも造り創り続ける。
ブームが起きようが、
起きまいが、そんなこたぁ考えた事もない
ただ考えるのは
もっともっと上手いビールが出来るはずだと。
もうこうなると僕の妄想が
95%入ってしまいましたが、
やはり僕はこう思います。
「クラフトビールは頑固者がつくってしまったビール」と。
そしてBAR333のバックバーを
眺めていました。
そこで先程の
アメリカ西海岸で派生した
特にここから火が付いたと言われる
シエラネバダ ペールエールの瓶を
改めて眺めました。
そうしたら小さくありました。
HANDCRAFTED の文字
そういえばCRAFTの文字をしっかり刻み込んだ
ビール瓶や缶を
初めてみたのかもしれません。
このささやかな小さな文字に
「俺の造った自慢のビールだぞ!」
と誇らしげに自信に満ち満ちた
職人魂を僕は感じずにはいられないのです。
そして、その頑固職人が
うちのマスターに重なるのです。
しかしこれは内密に。
長文にお付き合い下さいましてありがとうございました。
弟