アイ・アム・マリス
日曜の夜、家でバイクを漕ぎながらNetflixの新作ドキュメンタリーを観ました。
「アイ・アム・マリス」
摂食障害の少女がヨガを通し、自分の居場所を見つけていく物語。
いろいろな事を考えさせられました。
僕も今まで多くの摂食障害の方と出会い、その方が少しでも幸せになるためのお手伝いをしてきました。
いつも感じるのは、社会や家庭環境が人に求めるイメージに対するプレッシャーです。
女性はこうでなければいけない。
美しい身体とはこういうものだ。
こんな風に賢く強くあるべきだ。
大人の立ち振る舞いとしてこうしなければ。
でもそれは実はすごく狭い社会の中だけの価値観なのではないかと思うのです。
それを理解し、自分自身と向き合い、ありのままの自分を受け入れる事で、少しだけ前に進めるのではと感じています。
そう、小さな一歩で良いのではないでしょうか?
僕だって精神的にも肉体的にも問題ばかりです。
子供の時からまともな家庭に育たず、愛情が何かわからなかった。
真の愛情がわからないから彷徨ってばかりいました。
自分自身を感じ、見出し、自信が持てるのはワークアウトと格闘と仕事をしている瞬間だけでした。
でもそのワークアウトと格闘と仕事を通して、身体はダメージを受け、多くの怪我と戦ってきました。
そして僕は怪我と戦う事をやめ、怪我のある身体を愛し、認め、守り、育てようとしています。
辛さを知っているからこそ、人の心と向き合う事ができる。
でも以前の僕は自力で辛さを克服し最強を手に入れたフリをして、人の辛さと向き合う事を拒んでいたのかもしれません。
でも今はいろいろな事を経て、自分の弱さを受け入れ、だからこそ人の辛さと向き合い、少しでも前に向けるサポートをしたいと願っています。
このドキュメンタリーのラストは完全なハッピーエンドではありません。
なぜならマリスの摂食障害や鬱の症状には終わりがないから。
でも彼女はそれを受け入れた上で、少しでも良くなろうとする。
そして彼女は知っています。
少しでも良くなる方向に進む事は大切。
でも目指すのは完璧ではない。
完璧を目指してはいけない。
その言葉がとても胸に刺さりました。
ヨガに取り組んでいる方だけでなく、もっと多くの方に観ていただきたい作品でした。