オルレアンの少女45-ジャンヌの戦友生々流転
2019.04.16 02:04
ジャンヌ・ダルク外伝。その後、ジャンヌの仲間達はどうなったろう?まず「いとしの候」ことアランソン候はというと、1449年まで戦場を駆けまわり、故郷に戻ったときは破産状態。しかし国王の疑心はとれず、結局逮捕されて幽閉されてしまった。結局その後釈放の動きはあったものの候はそのまま亡くなり、領地は没収された。
ジャンヌの忠実すぎる副官ジャン・ドーロン。映画でもファンが多いが、結局弟と2人は捕虜生活をすごして釈放された。その後国王に仕え、1450年には要塞の司令官となっている。亡くなる58年まで、あちこちの任地を転戦した。彼は結局ジャンヌの生き証人となった。
オルレアン守備隊長、ル・バタール・ドルレアンは、既に書いた通り、ル・トレモイユの後侍従長として大抜擢。ブルゴーニュとの講和やローマ教皇とフランスの間をとりもち、ジャンヌ復権を果たした。阿修羅ことラ・イールは、ノルマンディー攻撃の司令官となるがジャンヌ解放はできなかった。
ややこしい男がジル・ド・レで、領地へ帰った後もジャンヌ奪還を試み、オルレアンのジャンヌ劇に出演している。彼は黒魔術にのめりこみ、多くの少年を虐待して殺害したとされ、1440年に死刑となり遺体は火刑にされた。彼はホラー童話の殺人鬼「蒼髭」のモデルとされるが、ジャンヌの火刑で精神を病み、黒魔術でジャンヌを生き返らせようとした説もある。
下はベラ・バルトークのオペラ「青髭公の城」