ライティングあれこれ
撮影の際 クライアント様と雑談している中で、写真のコツを聞かれることがあります。
明るい窓辺であればスマートフォンでも結構いい感じになりますよ、とお話しています。
しかし商用できちんと、特に料理や商品の魅力をしっかり伝えたい場合、必ずしも自然光(環境光)できれいに撮れるケースばかりではありません。
お店の照明や営業時間帯、被写体の種類も様々です。
ムーディなダウンライトのレストランだったり、地下の薄暗いBarだったり。
夜のデートの雰囲気を伝える為に暗い感じや、イメージカットであえてこのように電球色を表現することもあります。
逆に、いわゆる「物撮り」としてその物自体を忠実に伝えることが目的の場合
白トビやアンダーは当然NGですし、実物と色がかけ離れることもNGとなります。
店舗での出張料理撮影の現場では、ストロボを1〜3灯使用し、光を作って撮影することが多いです。
↓こちらは自宅でテスト撮影した時のデータ。
はじめにテストで撮った一枚。
天トレ (光を全体に拡散させたライティング)で撮りました。
窓からのレースのカーテン越しの光に近いイメージです。
テカリを抑えたセミマットなやわらかい光で、女性のポートレート等には良いのですが
生卵ならもっと「ピカッ!プリッ!」とさせた方が美味しそうに見えるはず。
こちらはソフトボックス(という照明)を使用しました。
プリっと光沢感が出たのが伝わるでしょうか。
悪くは無いのですが、個人的に気になる点は、「新鮮な卵は黄身が盛り上がっている」と言われておりまして
俯瞰で撮ると卵黄の立体感が潰れて新鮮さが伝わらないかな、と感じます。
最後は先ほどと同じソフトボックスを使ったライティングで、目線を下げて撮影しました。
卵黄の楕円体を見せるため、カラも少し剥いててみました。
自分の中ではこれが決定カットです。
実際の現場でも、時間が許せば角度等のバリエーションはお撮りしています。
かなり細かい話でしたが、ちょっとしたカメラ位置や、光の設定で被写体の見え方が変わります。
第一印象は最初の2秒で決まります。
綺麗な写真はお店のイメージと格を上げます。
逆に、汚い写真ばかりではinstagramに何百枚と連投した所でイメージダウンになりかねません。
同じお店の料理だとして
プロが光を作って撮った写真と、特にこだわらずにスマホで撮った写真、
どちらが「美味しそう」「デートで行ってみたい」と思われるでしょうか?
プロに頼むとお金がかかる・・しかし、
「雰囲気よさそう」という第一印象の差が 3年後、5年後、どれだけ集客の差になるでしょうか。
お客様はお店にとっての宝物です。「集客のお手伝いをする写真」そんな思いのタカラモノ.fotoでもあります。
うちの写真なんかイマイチなんだよね・・とお悩みの店長さん、是非ご相談ください。