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黒稜山岳会

西丹沢 日向ノ頭~大タギリ~敷地山

2019.03.30 15:00

【日程】2019/03/31

【コースタイム】

玄倉バス停 9:04→女郎小屋沢出合 10:40→日向ノ頭(827m) 11:53→女郎小屋ノ頭(1080m) 13:59→女郎小屋乗越14:28→大タル丸(1031m) 15:00→大タギリ15:22→小タギリ 16:00→ワナバノ頭(930m) 16:11→芋ノ沢ノ頭(840m) 16:35→敷地山(687m)17:25→小川谷出合18:05→玄倉バス停 18:35

【レポート】

林道からガレた道を下って、河原に降りる。飛び石づたいに玄倉川を渡りたかったが、適所がなく、靴を脱いで渡る。登るのは女郎小屋沢の左岸側に伸びる尾根だ。踏み跡がほとんどない上、ザレているので足場が定まらない。四肢を使ってよじ登る。

日向ノ頭でランチタイム。日差しに温かみはないため、じっとしていると寒くなる。

ここから北に向かって進むのだが、目前に鹿よけの柵が行く手を阻む。背の丈以上の柵をよじ登ると、また次の柵が現れる。しかたがない。ここは人間が来ることを想定していない山なのだから・・・。陽の当たる尾根では馬酔木が目を楽しませてくれる。

女郎小屋ノ頭から女郎小屋乗越へ下るルートで少し迷う。ムラさんから「ルートはコルを通過するのに、見下ろしてもコルが見えないから、このルートではない」と指摘を受ける。右にしばらくトラバースして見下ろすと、確かに狭いコルがある。下降はここだ!!残置のロープがあるので、それを利用して、ザレた斜面を下る。

大タル丸からの下りに予想もしていなかった最大の難所が待ち構えていた。残置のロープが数本あり、それを利用してまずヌクヌクが下降。谷は相当深そうだ。次に降りる私は、残置のロープの他に、ムラさん持参のロープで確保してもらい、下ったのだが、ロープが足りない。途中、テラス状のところもないため、木の根元に足をかけて確保していたロープを解除。この先は残置のロープのみの下降で、緊張は急上昇。足場は岩でなくザレ状のため、懸垂下降の要領で足で蹴って降りようとするとザザザっと土が崩れる。腕力だけで下降すると、今度は右に振れてしまうので、足でカキカキしながらルートを修正。ようやく長さ1メートル、幅50センチほどしかないコルに到着。ホッとしたのもつかの間、今度は、眼の前にある10mほどの垂直の崖を越えないければならない。嗚呼~。残置のロープを使い、必死の形相でよじ登る。

もう極端な難所はないはずだ。 玄倉バス停発17時30分発のバスに乗るために、歩くピッチは早くなった。途中、芋ノ沢ノ頭でルートを見誤る。すぐに軌道を修正。芋ノ沢ノ頭から敷地山は、ミツマタの群生地。控えめな花だが、群生していると華やかさが増す。このあたりにも、鹿柵が設置されているが、数をこなせば、当然上達するというもの。皆、難なく越えていく。

敷地山から進路を南南西に。間伐した木々が横倒しになったままなので、またいだり、乗ったりしながら通過。途中から、登山道らしきものが現れた。間伐する人のための道か? 登山道があると、安心する。用意された道は、考えなくても下山口に導いてくれるから。道なき山を地形図を頼りに歩くことが今回の目的なのに、終盤になると、気力を保てなくなって、こんな事を考えてしまった。小川谷に降り、渡渉。目標のバスには乗れなかったが、暗くなる前に下山できて良かった。

25000図では、地形は正確には表せない、というのが今回わかったこと。地図上にはないコルや、尾根が無数にある。それに惑わされずに、現在地をきっちり特定するためには、経験をつむしかない。更に、思い込みの排除と視野を広くすることも必要な要素だと思った。帰宅後、このルートをネットで調べてみると「西丹沢バリエーションルートでも難関の1つ」とされていてびっくり。丸腰で行ったにもかかわらず、無事帰還できたのは、リーダー、及びメンバーの助けがあってのこと。感謝。

記録/梨花