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黒稜山岳会

白峰南嶺北部と白峰三山縦走

2018.10.19 15:00

【日程】

2018/10/20-23

【メンバー】

村上靜志(記録) 中山憲一

【レポート】

中山さんからテントを購入したので何処かに出かけたいとのメールが来ましたので承諾し計画を考えました。テントの使い心地を知るには多少厳しい条件も必要ではと考え以前から行きたいと思っていました白峰南嶺の広河内岳から大井川に下る池ノ沢の途中にある池ノ沢池に行く計画を立てました。

計画では奈良田温泉から白峰南嶺の笹山(黒河内岳)に登り稜線を広河内岳まで歩いて池ノ沢を下り池でテント泊し翌日は登り返して大門沢を奈良田に下る計画でした。が二週間前、白峰三山から白峰南嶺を畑薙ダムまでソロで縦走した玉木さんより大門沢の橋が壊れ通行不能とのメールがあり、急遽計画を変更し往路を戻る計画で出発しました。

前日。身延線下部温泉駅でステーションビバーク。無人駅ですが一晩中灯りが付いていたので寝るにはイマイチでしたが静かで安眠できました。

一日目。朝食を済ませ下部温泉駅に立ち寄る身延駅から奈良田温泉に向かうバスに乗りました。到着後水を汲んで出発。本日のコース通称笹山東尾根には途中水場がありますがコースから離れ時間もかかるので下から担ぐ事に。本日は東尾根2.350mあたりにテントが張れる場所があるのでそこまでとしましたが奈良田の高度が830mですから急登を1.500m程登らなければなりません。200mくらい登った所にダムに水を送る施設があり、そこまで道はありますがそれ以上は踏み跡があるだけです。静岡百名山の笹山には直接登れるコースを10数年前、地元の人が作ってくれたので登り易くなりました。

午後2.100mあたりであられ混じりの雨が降って来ました。疲れもありこのまま濡れて登るのもと思いながら登っていると踏み跡から少しは慣れたところにテント1張りできるスペースを見つけここに泊まる事にしました。予報では明日から天気は回復するので気持ちは軽く夜を迎えました。

二日目。夜中に雨は雪に変わったようですが早朝を良い天気で向かえました。本日は笹山山頂から稜線を歩いて広河内岳まで登り池ノ沢池までなので7~8時間で行けると思いました。

テント泊した場所が予定より低かっため山頂まで時間が多少かかりました。日曜日とあって暗いうちから登って来た日帰りの人達が追い抜いて行きます。夜木々に降った雪をかき分け進むと首筋に入り冷たい思いを何度かしながら笹山山頂2.717mに着きましたが登った人達は眺めの良い北峰にいました。西側に大井川の谷をはさんで千丈岳から続く南アルプスの主脈尾根が塩見岳、蝙蝠岳に続きその先に荒川三山、赤石岳が。いつ見ても素晴らしい景色です。

ここから稜線歩きが続きます。樹林帯を過ぎるとハイマツ、ザレ、ガレの混じった比較的広い斜面が続きます。20年ほど前初めて歩いた時は時々石積みがコースを示しているだけでしたが現在は道は明快にはありませんが赤ペンキと赤テープがコースを示して進みやすくなっていました。ところどころ黒豆の木の実が半分枯れかかって残っているのでつまみながら歩きますが甘酢ぱさが喉の渇きを潤します。

稜線歩きは予想より時間がかかりました。以前は広河内岳から笹山だったのに今回は笹山から登って行くようなコースで考えていたより時間の差が生まれたのでしょう。

午後2時すぎになって広河内岳が近くになりましたが、でもこのペースで翌日池から広河内岳に登り返し笹山を経由して奈良田の最終バス時間まで帰ることが出来るか疑問が。で中山さんと今回は池は諦め広河内岳往復とし笹山に戻るか、またはそのまま北上して白峰三山を越えて広河原に下山するか相談しました。

結論は天候も良いので白峰三山を越えることにしました。途中テント泊になりますが農鳥岳小屋まで行かないと水がありません。でも雪をかき集めれば水は作れると判断しました。会にコース変更のメールを出そうとしましたが繋がりませんでした。3時過ぎ広河内岳2.895m到着。少し景色を楽しんで大門沢分岐に下りました。

大門沢分岐には多少山陰で風も防げる場所に良いテント場があったのでここで泊まることに。明日は早く立てば広河原の最終バスには間に合うと計算しました。水は周りに雪が残っていたので心配はありませんでした。

三日目。午前3時起き5時30分出発でした。前日もう少し農鳥岳に近づきたかったのですがやはり良いテント場はありませんでした。分岐は居心地の良いテント場で安眠できましたので良しとして少しピッチを上げて登りました。日の出が始まるころ農鳥岳3.025mに到着。富士山をバックになかなか素晴らしい日の出です。

西農鳥岳を越えて北面にかかると雪の量が増えましたので注意しながら農鳥岳小屋に下り小屋には人はいるようですが窓も開いていないのでそのまま通過しました。中山さんは初めての農鳥岳だそうでこれで三山登頂となったそうです。

北に間ノ岳3.189mがどっしりそびえます。夏だとガレの塊のような山なのに雪が降るとなかなか素晴らしい山に見えます。やはり大きな山で北岳小屋に着くのに時間がかかりましたがお昼前に小屋に到着しユックリ休むことにしましたました。ここからは北岳山頂はパスして八本歯コルから下れば最終バスの時間前には広河原につけます。喉の渇きもあってビールを1缶購入して二人で別けて飲みましたが飲みたりず、また1缶購入してしまいました。

対応が感じの良い小屋でしたし眺めも良いので中山さんからもう一泊したいな~との提案。爺さんの私は問題なしです。そこで中山さんは会社に電話を入れますが繋がりません。でも気分はもう休日を取ったようです。

しかし問題がありました。当初は三山を越える予定では有りませんでしたからアイゼンを持っていません。天候は良いので昼間は雪が柔らかく登り下りができますが、ここに泊まると明日午前中は硬い雪斜面を登らなければならなくなり危険です。そこで本日中に北岳を越えて肩ノ小屋まで行く事にしました。

日程が1日延びましたので気分はのんびり。急登の雪道を登って行くと北岳3.193mに到着しました。結果的に笹山から北岳まで来てしまいましたのでタップリ山に浸かった気分にはなりましたが二週間前一人で畑薙ダムまで歩いた玉木女史の3分の1しか歩いていませんね~。

北岳肩の小屋に到着。ここも眺めは良く、人もほどほどいて急に賑やかになりました。中山さんもやっと連絡が着いたようで我々のコース変更も会にメールを送れたそうです。

食糧がなかったので食事付きで泊まる事になりましたがどうも寒い小屋でした。でも外でテント泊していた若い人達がたいして暖かくもないストーブに暖まりに来たりして少し賑やかではありました。

四日目。昨日に比べれば少し雲も出て来ましたが良い天気です。本日は広河原にくだるだけですが3.000mからの下りはなかなか長く途中で綺麗な白根御池小屋によって500円のモーニングコーヒーを味わい後、紅葉の林の中を長く下りお昼に平日で閑散とした広河原に到着して山行を終えました。   

村上記