「学びのボランティア」のススメ
2019年4年17日
新高校生が誕生して、約10日が経ちました。ご入学おめでとうございます!
ところで、最近の高校生は、2020年の大学入試制度改革に先立って、ボランティア等の学校外での活動が推奨されているようです。
ボランティアが、こども達の評価に加わることについてはいろいろと意見があると思いますが、日ごろ社会活動に携わっていると、ボランティアを「学び」として捉えるか、それとも「単なる体験」として捉えるかによって、評価を変えるべきなのではないかと考えています。
そもそもボランティアとは、
単なる無報酬の奉仕活動という意味ではなく、自己の自発的・主体的な意思によって社会問題の解決や必要とされている活動を理解・共感し、勤労とは別に労働力、技術、知識を提供すること。(出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」)
という意味があります。
こういった経験は、学校教育の中で提供することは難しく、文部科学省が今後の大学入試者選抜について評価を重視する『学力の3要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」)』を育むためにも、学校外でのボランティア活動は有効的だと考えています。
しかし、そうした力をボランティアを通して育むためには、「学び」とセットである必要があります。学校の授業が「予習」と「復習」を評価するように、ボランティアでの学びも「準備」と「振り返り」の中から学ぶことはたくさんあります。
学校教育がボランティアを「教育」として評価するのであれば、「学びとして」準備や振り返り、継続性のある社会活動やボランティアと、「体験として」イベント当日のみ参加をし、それっきりで終わってしまう社会活動やボランティアについては、評価を分けるべきです。
また、「効果や利益のみを考えた関わり方」や「義務的な関わり方」は、本来のボランティアの価値を歪めることにつながりかねません。
「内申点が上がるから」「学校が行けというから」という動機でのボランティアは、「外面的な評価」にしかすぎず、本来習得すべき「ボランティアの価値」には見合わない可能性があります。
個人的には、最初のボランティアはある程度の強制力があってもいいのではと考えています。
しかし同時に、継続的にボランティアに参加できたり、そういったサポートを続けていく中で、高校生たちにより多い学びを提供するためにはどうすればいいかを、社会全体でもう少し考えていく必要があるのかなと思います。