武を学ぶこと。
役者の道を志す一方で
日本文化を身に付けたいと思い
古武道を学び始めたのだった。
日本人であるからには
日本のことを身に付けたかったし
私自身、いかにも和装の似合う風貌だったため 笑
和の芸事は、私らしさにマッチするだろうと感じ
また その道が特技になるならば、役者の道においても武器になるだろう
そんな戦略めいた思いも
どこかにあった。
なかでも【古武道】を選んだことは、
知人からの紹介という 偶然でもあったのだが
そうして
私の古武道への学びが始まり
ーーー ほどなく その世界は
私の気質と合うことを
感じた。
どうにもこうにも 強さがみなぎってしまう自分。(身体的というより、気質的な意味で。)
ふわふわした女の子らしさ というよりも
バサリと斬るような性格。
それが 可愛げのなさでもあるような気がし
どこか 直すべき点でもあるかのような気がしていたのだが
古武道を学ぶ場において
私は このままの私で良かったのだと
感じられた。
学びは
身体の扱いのみではない。
学生時代に 勉強がたいして出来たわけでもなく、
歴史の知識など まるで頭に入っていない
私といえど
武道に携わるからには
その根本の精神を知りたい
と
少しずつながら
日本の歴史を紐解く本を
読んでみるようになった。
そうして だんだんと
今まで 見えていなかった物事にまで
視野が広がる感覚を
感じはじめている。
「戦といえば
愚かで 血生臭いこと。
歴史とは つまりそれであり
誰が強いか勇敢か知らないが
カッコいいとも別に感じない。
旧い時代を 深掘りしようと思うだけ、気が重い」
ただ「そんな感じ」のイメージだけが先行して
知ってゆくことにすら、抵抗感があったわけだが
戦の歴史の裏に
人間の大切な精神に
触れるキーが あることを
知っていった。
『武道を
日本を
武士道を
なぜ学ぶ
なぜ携わる
どこへ向かう
今この時代に。』
過去も未来も垂直に貫ぬかれている今
それを
捉えはじめた時
自身の
在り方と 仕事
その意義も スケールも
大きく 深く 感じた。